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2011.01.08 (Sat)

『不思議の扉 時をかける恋』

[編者]大森望
[著者]梶尾真治 恩田陸 乙一 貴子潤一郎 太宰治 ジャック・フィニイ
[出版社]角川書店 角川文庫
[初版発行]2010年2月25日

[感想等]
 時間を超えたラブストーリーを集めた短編集。
 収録作は『美亜ヘ贈る真珠』(梶尾真治)、
『エアハート嬢の到着』(恩田陸)、『Calling You』(乙一)
『眠り姫』(貴子潤一郎)、『浦島さん』 (太宰治)、
『机の中のラブレター』(ジャック・フィニイ)の 6編。

 日本の現代作家の作品だけでなく、ジャック・フィニイや
太宰治の作品も収録している点が良い。

 ジャック・フィニイの『机の中のラブレター』は大森望の
新訳だったが、以前に、別タイトルで読んでいたので、
驚きなどはなかったのが少々残念。でも、やはり面白い作品だ。

 太宰治の『浦島さん』には、ちょっと驚いた。
 太宰独特なちょっと皮肉な感じの口調で、
亀が語る『浦島太郎』は、亀だけでなく浦島も乙姫も、
知っているおとぎばなしの彼らとは違う面も見せ、
結末も一味違う感じで面白かった。

 が、一番驚かされたのは、『Calling You』(乙一)。
 携帯電話を持っていないため友人の居ない女子高生が、
頭の中に空想していた携帯電話にかかってきた電話の相手達と
交流するストーリー。
 話し相手になった男の子とのラブストーリーだけでなく、
不思議な年上の女性との会話なども、興味深く、
自分の時間と相手の時間が違っているという設定が良く、
起きる事件も結末も凝っていて、切なさが心に残った。



不思議の扉 時をかける恋




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EDIT  |  18:43 |  とても気に入った本(☆5つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2008.12.13 (Sat)

『マーブル・アーチの風』

[著者]コニー・ウィリス
[訳者]大森望
[出版社]早川書房
[初版発行]2008年9月25日

[感想等]
 20年ぶりにロンドンを訪れたトムとキャスの夫妻。
 妻と違って地下鉄を愛するトムは、旧友との再会を楽しみに、
独りで地下鉄に乗ろうして、駅の構内で突然の爆風に襲われるのだが、
周囲の人々は風に気付きもしていない。その後、友人たちと再会して、
変わってしまった友人たちにとまどい、トムは風の謎を追う・・・
という表題作『マーブル・アーチの風』の他、
クリスマスストーリー『ニュースレター』『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』、
恐竜絶滅から鳥類への進化にネタに大学内の様子を『白亜紀後期にて』、
いんちき女霊媒師を巡る『インサイダー疑惑』の5篇を収録した
日本オリジナル短篇集。

 日本オリジナルの作品集だけあるなと感じさせられる、
なかなか面白い作品が集められていて、私はかなり楽しめた。

 表題作『マーブル・アーチの風』は、20年ぶりに乗ろうとした
ロンドンの地下鉄で感じた風や、久しぶりに会った友人たちの変化に
今までは気付かなかったことを、妻はとっくに感じていたことや、
時の経過や自分の老いに気が付くという展開に、切ない気分を
感じさせられる作品だが、ラストに少し希望を感じさせられて
ほっとさせられる作品になっている。

 その他の作品は、人々が皆善人になっていることに気が付く、
クリスマスストーリーの『ニュースレター』も宇宙人侵略テーマで
宇宙人に気が付いたり、恋を諦める主人公の心情が巧みに描かれ、
なかなか面白いが、クリスマスに一年の出来事を友人などに書き送る
という「ニュースレター」風習になじみが無く、身近に感じられない
点が少々残念。

 もう1編のクリスマスストーリー『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』
は、クリスマスの自宅などの飾り付けを業者に頼むのが当たり前の
近未来という設定で、クリスマスプランナーの女性・リニーが、
初めて利用する老女や、毎年、色々とクレームを付け、直前まで
注文を変更する女性客の対応に、あたふたする物語なのだが、
ほっとさせられるようなラブコメディになっていて、面白かった。
 作中に登場するるシェークスピアの『十二夜』や
E.M.フォースターを知っていたから、余計そう感じたのかも
しれないが・・・。

 『白亜紀後期にて』は、旧態依然の講義をしている老教授と
授業をロクに聞いていない学生たちや学内の車の駐車に
間違って違反ステッカーを貼られる騒動を描いたもので、
鋭い風刺が効いて面白いのだが、少々判りにくい点もあった。

 『インサイダー疑惑』は、ビバリーヒルズで詐欺を行っている
女霊媒師のインチキを暴きに行った雑誌の編集長・ロブが、
その霊媒師に、オカルト詐欺などを糾弾していた故人である
H.L.メンケンという人物が乗り移っているのを目撃してしまう
という物語。H.L.メンケンという人物は、知らなかったが
実在の人物で「ボルチモアの賢人」と言われるジャーナリストだそうだ。
 チャネリングの嘘を暴こうとして、紹介した雑誌のスポンサーの
元女優の仕込みではないかと疑ったり、あれこれ試すロブの行動や
心理がとても良く描かれていて、メンケンを知らなくても、
なかなか楽しめた。


マーブル・アーチの風


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2008.07.26 (Sat)

『ハリー・ポッターと死の秘宝』(上・下)

[著者]J. K. ローリング
[訳者]松岡佑子
[出版社]静山社
[初版発行]2008年7月23日

[感想等]
 ハリー・ポッターシリーズの最終巻となる第7巻。
 17歳になったハリー。ダンブルドアの遺志を継いで、
ヴォルデモートの分霊箱を探す旅に出る。
 ロン、ハーマイオニーが同行する過酷な旅の先には、
ヴォルデモートとの対決が待っていた。

 いよいよ、最終巻。第1巻からずっと読んできた作品なので、
残された謎の答えや、ヴォルデモートとハリーの対決の行方を
早く知りたい思いで、一気に読んでしまった。

 ネタばれになってしまうかもしれないが、
最終章を読み終えた後、かなり、ほっとさせられた。
 知らなかったダンブルドアの過去を知ることが出来、
スネイプの不可解な行動の理由も納得がいったし、
何よりも様々な謎が解けていくのが、とても心地良かった。

 もちろん、この巻でも、幾人もの死に遭遇したし、
かなりハリーには悲しく、辛いことが多かった。
 そこまで書かなくても・・・と思う場面もあった。
 それでも彼には、ヴォルデモートの持ちえなかった
多くの人々からの愛や友情という最大の武器があることを
しみじみ感じさせられた。
 最終章は、もしかして、著者が一番書いていて楽しかった
のではないだろうか?
 
 それにしても、第1巻のあの、何にも知らない少年が、
なんとたくましく成長したことか!
 そんな感慨を持ちながら、巧妙に書き込まれていた伏線を
もう一度見直すために、また1巻目から読み直したくなった。





<My Blog関連記事>『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(上・下)

  

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2006.05.21 (Sun)

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(上・下)

[著者]J. K. ローリング
[訳者]松岡佑子
[出版社]静山社
[初版発行]2006年5月17日

[感想等]
 ハリー・ポッターシリーズの第6巻。
 16歳になったハリー・ポッターは闇祓いになるのを目標とし、
N.E.S.Tレベルの勉強に取り組む。
 『魔法薬学』の授業では手に入れた古い教科書にあった
「謎のプリンス」が書き込んだ様々な調薬法や呪文に助けられる。
 果たして、その「謎のプリンス」とはいったい誰なのか?
 そして、宿敵ウォルデモートを滅ぼすことを決意したハリーに、
ダンブルドア校長は個人教授を始めるのだった。

 この巻も悲しく辛い別れがハリーを待っていて、
彼の運命の過酷さに今まで以上に心が痛む展開だった。
 しかし、ハリーやロン、ハーマイオニーの恋も複雑になり、
6年生としての学園生活や難しくなっていく授業の様子、
「生き残った男の子」から「選ばれし者」へと呼び名も変わり、
様々な出来事を乗り越えて成長していくハリーの姿など、
この巻も充分に読み応えある作品になっている。
 
 また、初めて登場する「謎のプリンス」の正体や、
ウォルデモートの生い立ちがようやく判ってきて、
いままで謎だったことが明らかになってみると、
今までの巻の様々な出来事が巧みな伏線だったのに気付き、
作者のストーリー構成の凄さ・上手さを改めて感じた。

 何よりも、ラストのハリーには逞しさと強さが感じられ、
これからのウォルデモートとの戦いの結末は、
悲しみでなく喜びで終わるのではないかとの期待を抱けたし、
新しく提示された謎の人物「R.A.B」の正体や、
様々な謎がまだ残っているし、次の巻がまた待ち遠しくなった。


ハリー・ポッターと謎のプリンス

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2006.05.07 (Sun)

『航路』(上・下)

[著者]コニー・ウィリス
[訳者]大森望 
[出版社]ソニー・マガジンズ
[初版発行]2002年10月10日

[感想等]
 認知心理学者のジョアンナ・ランダーは
コロラド州デンヴァーのマーシー総合病院で、
朝はER、午後は小児科で臨死体験(NDE)の科学的検証のため、
聞き取り調査を試みているものの、
死後の世界を肯定する臨死体験本作家の
モーリス・マンドレイクの次作のための聞き取り取材に邪魔され、
思うような成果が得られずにイライラしていた。
 そこへ、神経内科医のリチャード・ライトから、
ジテタミンという神経刺激薬による擬似的な臨死体験の
実験への助言・協力を求められる。
ジョアンナはその申し出を受け、
臨死体験をシュミレートする実験に参加するものの、
ボランティアの被験者達が次々と不適格などの理由で居なくなり、
彼女自身が被験者になり、擬似臨死体験をすることになる。
 そしてジョアンナが見たのは彼女の記憶の中にある、
意外な場所であり、それが何故か彼女は考え始めるのだが・・・。

 第3部までもある、400ページ以上の上下本なのだが、
臨死体験の謎とジョアンナが見たものは何なのかという興味で、
あっという間に最後まで読み切ってしまった。

 臨死体験の謎を架空のジテタミンという薬の擬似臨死体験で
追及しようとする設定も良かったし、
ジョアンナの臨死体験がジョアンナが以前の聞き取り調査で
聞かされた事柄を含んでいるという点、
痴呆状態になった高校時代の恩師などの
彼女の過去の人々を追いかけることになり、
ある意味では過去を追体験しているのかもしれない点、
ジョアンナが知った真実をリチャードに告げることが出来ない点、
なども、とても良く出来ている設定だし、
作品に表現されている臨死体験に対する著者の見解も
死後の世界の存在を肯定していないが、非常にユニークだと思えた。 

 また、臨死体験の謎を追求していくだけでなく、
過去と現在のジョアンナの周囲の人々を巻き込み、
それらの人々の人物の設定が魅力的で良く出来ているし、
様々な人生ドラマが繰り広げられる点が面白く感じられ、
感動的で心に残る作品になっている。
 主役のジョアンナはもちろんだが、その他の登場人物達、
ハンサムだが女心に疎く研究熱心なリチャード、
災害オタクの心臓病の少女メイジー、
ジョアンナの親友で気丈で世話好きなERの看護婦・ヴィエル、
痴呆症になったジョアンナの高校時代の英語教師ブライアリー、
叔父・ブライアリーを世話する悲しい過去を持つ女性キット、
などの人生もジョアンナの臨死体験で変化していくように
感じられる点が良く出来ていると思った。

 もちろん、当初は、有益な臨死体験が得られずにイライラする
ジョアンナの気持ちに合わせているのか、なかなか話が進まない。
 しかし、それも、ユニークな人物が多数登場していることと、
迷路のような病院の中を天敵のマンドレイクから逃げまわるジョアンナの
様子がユーモラスで楽しめて、あまり苦にならなかったし、
後になってみれば、色々重要な伏線が貼られていたことが
判るので、良く出来た仕掛けだと思えた。

 なお、ネタばれになってしまうが・・・。
この作品ではタイタニック号の悲劇が重要な要素になっているので、
アカデミー賞を取った映画「タイタニック」は観たことがある方が楽しめる。
 さらに言えば、映画の内容以上にタイタニック号の知識があって、
映画が不満だと思った、ジョアンナに共感できるような読者の方が
うなずける部分が多いかもしれないし、もっと楽しめると思う。
 また、その他にも、映画「フラットライナーズ」に言及したりもするし、
近年のハリウッド映画や俳優などを知っている方がニヤリと出来たり、
理解できる記述もある。
 ちなみに、私は以上の条件に当てはまっているので、この作品を楽しめ、
高く評価してしまっているのかもしれないということをお断りしておく。


航路(上)航路(下)

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