06月≪ 2017年07月 ≫08月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031
--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑
2012.05.26 (Sat)

『新装版 マジックミラー』

[著者]有栖川有栖
[出版社]講談社 講談社文庫
[初版発行]2008年4月15日

[感想等]
 琵琶湖に近い余呉湖畔の別荘で発見された死体。
 殺害されたのは古美術商・柚木新一の妻・恵で、
推理作家・空知雅也の昔の恋人だった。
 恵の妹・三沢ユカリは犯人は義兄ではないかと
思い、空知と共に探偵に調査を依頼するが・・・。
 
 犯人らしい男にはソックリな双子の弟・健一がいて、
2人とも現場より遠方にいてアリバイがある。
 そのアリバイ崩しが話の中心になるだろうと思っていたら、
犯人らしい双子の片方が殺され、もう一人は失踪と、
ミステリの王道っぽい事件が続けて起こってしまい、
話は少し複雑にはなるのだが、
結末や犯人は途中で判ってしまった感があった。

 しかし、最後に驚きが残っていた。
 最初のダイアローグで既にだまされていたのに気付き、
心地よいしてやられた感が残った。
 







スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 有栖川有栖

EDIT  |  15:05 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(2)  | CM(0) | Top↑
2012.01.21 (Sat)

『マボロシの鳥』

[著者]太田光
[出版社]新潮社
[初版発行]2010年10月29日

[感想等]
 鳥を失い落ちぶれた舞台芸人のストーリー
『マボロシの鳥』を含む9編を収録した短編集。

 爆笑問題の太田光の作品ということで、
辛辣な作品が多いのではないかと思ったが、
優しさや悲しさを感じるような作品が多く、
少し驚いた。

 特に巻頭の『荊の姫』などは、メルヘン風で、
タイトルだけでなく内容もグリム童話の一編
ではないかと思わせる作品で、ラストなども、
ちょっとステキだなと思った。

 表題作『マボロシの鳥』は奇跡の芸として、
素晴らしい鳥を見せる芸人が、鳥を失い、
仕事も失い、転落していく姿の哀れさと、
思いかげずに鳥を手にして、指導者として
人々を幸福に導くことが出来た男との対比を描き、
なかなか面白かった。けれども、ラストには、
ちょっと期待ハズレを感じた。

 またSF風の『タイムカプセル』は、
設定に著者らしい皮肉さを感じさせるように思ったが、
それが嫌味ではなく悪くはなかった。

 ただし、時事ネタっぽいワードを散りばめ、
落語っぽい口調の『人類諸君!』は、ギャグも
ストーリー的にもいまひとつな感じがして、
ちょっと残念に思えた。




マボロシの鳥



テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ファンタジー SF 太田光

EDIT  |  16:41 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2011.12.17 (Sat)

『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』

[著者]村岡恵理
[出版社]新潮社 新潮文庫
[初版発行]平成23年9月1日

[感想等]
 冒頭・第二次大戦下の東京、空襲の続く中、こつこつと
翻訳をしながら、日本や子供たちの将来を思う村岡花子の姿から
始まる本書は、孫娘による『赤毛のアン』の翻訳者・村岡花子の
評伝である。

 新潮文庫で、村岡花子による暖かいあとがきのある
『赤毛のアン』に接していた私は、彼女の生い立ちなどが
気になっていたので、本書は非常に興味があった。

 孫によって描かれた本書は、村岡花子の心情に迫り、
その視線で描かれている作品になっているせいで、
評伝というよりも、明治・大正・昭和を生きた女性の姿を
描いた小説のようで、面白く、読みやすく感じられた。

 もちろん、色々知らなかった彼女のこと、貧しかった子供時代、
クリスチャンだった父の理解によって給費生として東洋英和で
学ぶ機会を得ることが出来たことや、
卒業してからの教職生活や生涯の伴侶との出会いなど、
知ることが出来たのは、嬉しかった。

 しかし、一番心に残ったのは、村岡花子が『赤毛のアン』の
舞台であるカナダのプリンス・エドワード島を訪れぬまま、
亡くなったということである。

 普通、彼女の育った時代・西洋文化が当たり前にあるような
時代ではない中で育った女性が、外国への留学経験も無く、
異国の作品の初翻訳を成し遂げたのは、かなり無理があったはず
と感じるだろう。

 が、彼女の東洋英和時代のカナダ人宣教師達との寄宿生活の
様子を詳しく知ることが出来たので、
彼女がアンの舞台となる異国の風景や風物・心情などを自然と
自分のものにしていた、という風に判った。

 あの素晴らしい翻訳が、カナダに行かなかった女性の手で
日本で生み出されたのだと知ることが出来たのが、
私にとっては一番の驚きと収穫だった。




アンのゆりかご 村岡花子の生涯




テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 感想 歴史 『赤毛のアン』 村岡花子

EDIT  |  15:05 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2011.11.27 (Sun)

『荒野のホームズ』

[著者]スティーヴ・ホッケンスミス
[訳者]日暮雅通
[出版社]早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814
[初版発行]2008年7月11日

[感想等]
 19世紀末のアメリカ・西部。主人公(おれ)と兄のオールド・レッドは
家族も家も洪水で失い、雇われカウボーイの生活を送っていた。
 字の読めない兄だったが、雑誌に載っていたのをおれが読み聞かせた、
シャーロック・ホームズの『赤毛連盟』に感銘を受け、
論理的推理を武器とする探偵を志すようになった。
 そんなおれと兄が雇われた、怪しげな牧場で死体が見つかる。
 そして、兄がホームズとして、皆に失笑されながらも、
犯人探しを始めることになり、おれはワトソン役を勤めることに・・・。

 イギリスではなく西部でホームズが活躍する話ではなく、
ホームズを崇拝するカウボーイが、ホームズの方法を真似して
犯人探しをするという、ちょっと変わったホームズ・パスティーシュで、
ホームズの物語が雑誌に載っていて、人々が楽しんでいた時代を
感じることが出来たのが、良かった。
 そして、ホームズが実在しているという設定が何より素敵だ。

 もちろん描かれている事件の謎の解決もまずまず面白く、
西部のカウボーイの生活や、当時のアメリカの雰囲気が興味深い。
 兄を心配する弟が語り手をつとめているのも、しみじみさせられた。
 続編が出ているそうなので、それも読んでみたくなった。




荒野のホームズ



テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 歴史 スティーヴ・ホッケンスミス

EDIT  |  15:21 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2011.11.12 (Sat)

『暁英(きょうえい) 贋説・鹿鳴館』

[著者]北森鴻
[出版社]徳間書店
[初版発行]2010年4月30日

[感想等]
 作家・津島好一は鹿鳴館を題材にした新作を書こうとしていた。
 設計図さえ残っていない鹿鳴館は、謎の多い建物であり、
なかなか執筆が進まずに悩んでいた津島だったが、編集者に
海南潤一郎(うなみじゅんいちろう)という青年を紹介され、
鹿鳴館の裏門が逗子に現存していることを教えられ、
さらには、彼より出所を明らかにしない鹿鳴館の設計図の
コピーを贈られ、『小説 暁英』という作品を描き始める。

 暁英とは、鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルが、
風刺的な絵を描く日本画家・河鍋暁斎に弟子入りし、
貰った雅号である。
 この作品は津島が描いた作品という形で、コンドルの視点から
彼の日本での活動が描かれるという構造になっている。

 コンドルは、日本人建築家の育成や鹿鳴館を作るためだけでなく、
国際商社ジャーデン・マセソン社から、日本で姿を消してしまった
ウォートルスというアイルランド人建築技術者を探せという密命を
受けていたとして、その探索も描かれている。
 が、やはり、一番の謎は、鹿鳴館がどのような建築物だったのか、
コンドルはそういう意志を持って、鹿鳴館を設計したのかだろう。

 残念ながら、この作品は著者・北森鴻の急逝で、完結しないで
終わってしまい、津島の小説内のコンドルも鹿鳴館を建設中で、
コンドルの設計の意図は明らかにされていない。
 また、津島に設計図のコピーを渡した海南には何か訳あり気だが、
それも判らずじまいである。
 出来れば、著者に最後まで書く時間を与えて欲しかった・・・。

 しかし、ウォートルスの行方の謎は、一応解決しているし、
何よりも、鹿鳴館を建設したコンドルの人物像や、周囲の人々、
歴史上の偉人も、名も無きような人々までの描き方が良くて、
読み応えのある作品になっている。



暁英 贋説・鹿鳴館



テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 歴史 北森鴻

EDIT  |  23:37 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2011.10.30 (Sun)

『遥かなる未踏峰』(上・下)

[著者]ジェフリー・アーチャー
[訳者]戸田 裕之
[出版社]新潮社 新潮文庫
[初版発行]平成23年1月1日

[感想等]
 「なぜ登るのか?」という問いに「そこに山があるからだ」という
名言を残した登山家ジョージ・マロリー。
 彼の生涯をたどり、山頂へ到達出来たのかという謎が残された
最期の挑戦となったエベレストでの彼の姿まで描いた作品。

 プロローグとして、1999年にマロリーの遺体が発見された
場面から、物語は始まる。
 発見した登山家たちが、彼の衣服内のポーチに妻の写真が
無いことを喜ぶ場面に、私は何を喜んでいるのか判らず、
物語が進んで行き、その謎が判った時、かなり驚いた。

 子供の頃から、恐れを知らない子供だった彼のエピソードや、
愛妻ルースとの出会い、恋愛、そしてもちろん、登山家としての
彼のエピソードの数々は、どれもとても興味深く楽しめたが、
彼が歴史の教師だったことや、志願兵として戦場へ赴き、
負傷していたことなどは知らなかったし、妻との恋愛など、
登山家以外の部分の彼に関する記述が意外に面白かった。
 作品には、妻の写真のいきさつだけでなく、挿入されている
妻にあてた手紙、妻からの手紙などが、効果的に利用されている。

 エベレストへの挑戦中の過酷さの描写も凄いのだが、
そのメンバーの選抜試験の凄さの方が、何故か心に残った。
 さらに、同じような寒さとの戦いである南極探検に関して、
南極探検家・スコット大佐の講演会に参加したマロリーや
スコットの未亡人をマロリーの妻が訪れたりするエピソードが
挿入されているのが、出来すぎ感もあるが、面白かった。

 また、様々な探検隊を派遣していた王立地理学会という、
組織の格式ばった遣り方や偏狭さ、実際に探検に行かない
人物たちに関する、腹立たしさを感じる場面も多かったし、
高所登山に酸素ボンベを使うのは卑怯という危険よりも
スポーツマンシップを重視する当時の考え方や、身分や
男女の差別など、当時の社会の側面なども考えさせられたし、
一登山家の栄光や悲劇を描いただけの作品ではない気がした。



遥かなる未踏峰(上)遥かなる未踏峰(下)




テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 歴史 ジェフリー・アーチャー

EDIT  |  22:50 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2011.10.08 (Sat)

『幻香(げんか)』

[著者]内田康夫
[出版社]角川書店
[初版発行]平成19年7月31日

[感想等]
 浅見光彦に届けられた見知らぬ女性からの芳香のする手紙。
 その文面に従い、栃木市の幸来橋に向かった彼は、
新進気鋭の調香師・戸村浩二が殺された事件に巻き込まれる。
 戸村の死、差出人の女性・国井由香との関わりから、
見えてきた10年前の天才調香師・国井和男の殺害事件。
 現在と過去の香水を巡る事件の真相に浅見光彦が迫る。

 過去の事件への後悔を抱いて、手紙に従った浅見光彦が、
事件に巻き込まれ、関わりがあるかどうかも判らなかった
過去の事件を掘り起こし、現在の事件と共に謎を解くという、
いつもながらの展開であるが、光彦が3人もの美女に
出会うという点や、華やかな香水が絡む事件という点は、
ちょっと珍しさもあるかもしれない。
 
 警察が見つけられなかったものを割と簡単に見つけて、
謎を解明する光彦の姿は、上手く出来過ぎの感もあるが、
あまり社会批判も多くなく、将来への希望のあるような解決で、
まずまずの終わり方だと思った。

 また、作中に出てくる香水は、実際にあったらステキだと
思ったし、光彦イメージの香水など、ファンは欲しいのでは?

 なお、この作品は、浅見光彦倶楽部の会員紙「浅見ジャーナル」にて、
読者とのリレー小説として書かれた『例幣使(れいへいし)街道殺人事件』
が原型としていて、雑誌「野生時代」に転載する際に書き改め
『フローラの函(はこ)』とした作品を、さらに改稿した作品とのこと。
 2作品のどちらも読んでいないので、どう変化したかは判らないが、
読者との合作から発展した作品が一億冊著作記念作品となっているのは
悪くない趣向かもしれない。



幻香




テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 内田康夫

EDIT  |  12:11 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
 | HOME |  NEXT
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。