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2005.03.30 (Wed)

『片想い』

[著者]東野圭吾
[出版社]文藝春秋 文春文庫
[初版発行]2004年8月10日

[感想等]
 大学時代のアメリカンフットボールの仲間達との集会の帰り、
主人公・哲朗は、来なかった女子マネージャーの美月を見かけ、
10年ぶりに出会った彼女は男の姿で、人を殺したと告白するという
驚くような幕開けから話が始まる。

 哲朗が彼女の親友である理沙子と結婚していて、
妻と共に自首しようとする彼女を匿うことを決め、
事件に関わることで、殺人事件の真相だけでなく、
美月や妻の理沙子をはじめとする仲間達の過去と現在の
思い・真実までも知ることになる話の展開はとても良かった。

 また、性同一性障害だけでなく、男女の差別や意識の差などの
取り扱いの難しい問題への言及などもされていることが興味深かった。
 心を許し判りあっていたつもりでいても、人間同士には
自分にも相手にも知らない・知らせていないことがあり、
理解できないこともあるということがとても哀しいと感じたが、
主人公が知らなかった真実に気付いたことで変化していく方向は
善い方向であり、救いがあるような気がした。


片想い

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EDIT  |  10:02 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2005.03.29 (Tue)

『忍法関ヶ原』

[著者]山田風太郎
[編者]日下 三蔵
[出版社]筑摩書房 ちくま文庫(山田風太郎忍法帖短篇全集7)
[初版発行]2004年10月10日

[感想等]
 「忍法OO」というタイトルの忍法帖のシリーズ4篇と、
エッセイ『忍法と剣のふるさと』が収録された短編集。

 「裏の関ケ原」とでもいうべき、鉄砲鍛冶の国友村での
服部半蔵配下の忍者の工作を描く表題作『忍法関ケ原』も良かったが、
小塚っ原の刑場を舞台として、首切り役の伊賀者が、
撥ねた首を他の者の胴につなぐという奇想天外な技を使う、
『忍法小塚っ原』が意外な結末と共に楽しめた。


忍法関ヶ原


<My Blog関連記事>『武蔵忍法旅』

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EDIT  |  09:12 |  まあ面白いと思った本(☆3つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2005.03.28 (Mon)

『秘跡』

[著者]エリス・ピーターズ
[訳者]大出健
[出版社]光文社 光文社文庫(修道士カドフェルシリーズ11)
[初版発行]2004年9月20日

[感想等]
 12世紀半ばのイングランドの修道士、カドフェルを主人公とする、
ミステリーシリーズの第11巻。

 女帝と王の争いによる内乱により、焼け出されたハイド・ミード修道院から
逃げてきた2人の修道士のうちの1人は、
十字軍に従軍し傷を負うという過去のある男だった。
 その彼が修道院に入ることになり破約した婚約者の女性が
3年前から姿を消していた事が今になって判リ、
彼女に何があったのかをカドフェルが知ることになるというストーリーで、
過去の事件を推理するようになる点が、目新しい感じがして面白かった。
 が、男女の恋愛に絡み、救いの有るような結末に向かうのは相変わらずで、
過去の出来事が結局は現代の事柄や謎に関わっていたのは良かったと思う。


秘跡


<My Blog関連記事>『憎しみの巡礼』

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EDIT  |  10:21 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2005.03.27 (Sun)

『憎しみの巡礼』

[著者]エリス・ピーターズ
[訳者]岡達子
[出版社]光文社 光文社文庫(修道士カドフェルシリーズ10)
[初版発行]2004年7月20日

[感想等]
 12世紀半ばのイングランドの修道士、カドフェルを主人公とする、
ミステリーシリーズの第10巻。
 今回はカドフェルの居る修道院での聖ウィニフレッド祭に
訪れた巡礼たちの中で起きた盗難事件や
謎の二人連れの青年巡礼者の正体等をカドフェルが解いていく。

 この巻も若い男女の恋模様が絡んできているし、
相変わらず女王と王の勢力争いが背景になっているので、
今までの巻同様に、カドフェルの活躍を楽しめた。
 ただし、このシリーズとしては珍しく、
この巻のお祭は第1巻目の出来事に関わりがある祭なので、
その時起きた事件を説明する場面があり、事件の結末まで書かれている。
 これは、すでに読んでいる私には懐かしさがあって良かったが、
まだ未読の人が一巻目を読む際の楽しみを奪う気がしてならない。
 また、いつもは争いの中で拳を用いる事の無かったカドフェルが、
乱闘に加わってしまうシーンもある。
 この2点は、このシリーズの雰囲気を壊してしまったように思え、
少し残念な気がした。


憎しみの巡礼


<My Blog関連記事>『死者の身代金』

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EDIT  |  08:00 |  まあ面白いと思った本(☆3つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2005.03.26 (Sat)

『珊瑚の枕 ―上・風雲少林寺 下・幻夢秘宝伝―』

[著者]陳舜臣
[出版社]中央公論社
[初版発行]1996年10月20日

[感想等]
 17世紀、徳川幕府成立後の時代に日本へ来た、
実在する中国人・陳元贇(ちんげんぴん)を主人公とするフィクション小説。

 黒田如水が真田幸村と手を結び天下を取る企みが密かになされ、
協力した商人・鳥居宗室の集めた資金には、中国(明)の商人からの援助があった。
だが、徳川が天下を取ったため、その資金のほとんどが財宝として隠されてしまった。
 主人公は少林寺より脱走する助けをしてくれた日本人・慈円との関わりで
その財宝の行方を日本で探す事になる。

 実在・架空の登場人物達の性格設定などにも魅力があり、
黒田如水らが天下を取る企てに中国(明)からの援助があったという設定や、
2つの勢力が宝を取り合うかけひきなど、面白く一気に読んでしまった。


珊瑚の枕(上)風雲少林寺珊瑚の枕(下)幻夢秘宝伝

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2005.03.25 (Fri)

『鏡の森』

[著者]タニス・リー
[訳者]環早苗
[出版社]産業編集センター
[初版発行]2004年10月31日

[感想等]
 母と娘の二人の愛を求める姿を中心に描かれている、
ファンタジーの中にエロティックさダークさがある『白雪姫』の物語。

 王族・魔女・森・鏡・薬草などというおとぎ世界の中なのに、
若くして凌辱の末に娘を産み、心を病んでしまった母親の女王と
母の愛に恵まれず、殺されそうになる娘の王女だけでなく、
その他の登場人物達の性格や行動や起こす出来事に、
現代にも通じそうな悲惨さや醜さを感じさせられるばかりで、
私には最後まであまり楽しめないストーリーだった。


鏡の森

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EDIT  |  09:27 |  趣味に合わなかった本(☆1つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2005.03.24 (Thu)

『京都 殺意の旅 ―京都ミステリー傑作選―』

[著者]西村京太郎 他
[出版社]徳間書店 徳間文庫
[初版発行]2001年11月15日

[感想等]
 京都を舞台とする短篇ミステリー集。西村京太郎など6人の作家の
6篇が収録されている。

 それぞれ京都を舞台としていて面白かったが、特に、
京都人の他県人への感情がテーマの井沢元彦『京都へは電車でどうぞ』と
時代祭を舞台にした事件の山村美紗『時代祭に人が死ぬ』が良かった。


『京都 殺意の旅 ―京都ミステリー傑作選―』(amazon.co.jp)

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2005.03.23 (Wed)

『隻眼のガーディアン』

[著者]アマンダ・クイック
[訳者]中谷ハルナ
[出版社]ソニーマガジンズ ヴィレッジブックス
[初版発行]2004年7月20日

[感想等]
 19世紀始めを舞台とするヒストリカル・ロマンス小説。
 海賊の財宝のありかを記した日記を求めて、海賊の子孫の子爵が
その日記を手に入れた女性に女性の甥達の家庭教師を装い近づき、
恋に落ちてしまう。

 海賊のように隻眼で逞しい美丈夫という外見に関わらず、
冷静で几帳面な性格の子爵と、外見のお洒落には興味が無く、
探検旅行協会に属し、論文を書くのが好きな女性という、
変わった主人公達の人物造型は面白かった。
 けれど、冒険に出て宝を見つけるという展開を期待していたのだが、
ロマンス小説らしく恋の成就と結婚へ進む展開が主だったので、
ちょっとがっかりした。


隻眼のガーディアン

 

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2005.03.22 (Tue)

『秋好英明事件』

[著者]島田荘司
[出版社]南雲堂 S.S.Kノベルズ
[初版発行]2005年1月27日

[感想等]
 昭和51年6月に福岡県で起こった、一家四人惨殺事件の
犯人として逮捕された秋好英明の半生をたどり、
その真実を解明しようとしている作品。

 このような事件があったことは知らなかったが、
逮捕された男が事件へ至ったまでの苦難に満ちた人生の記述には
本人の弱さや関わった人間達のずるさなど、
事件そのもの以上に悲惨で辛く胸が痛くなるような部分が多かった。
 何よりも、もしも、この本の記述が全て正しいのなら、
犯人は殺人は犯したけれど情状の余地は有るし、
四人の全てを殺害したのではないことになる。
 すると、この事件裁判の判決は正しく下されていないことになり、
その点が非常に気になった。


秋好英明事件

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2005.03.21 (Mon)

『二十四時間』

[著者]乃南アサ
[出版社]新潮社
[初版発行]2004年9月25日

[感想等]
 二十四時間のそれぞれの時間をタイトルにする短編集。

 作者のその時間帯に関する過去の思い出や記憶が綴られているようで、
エッセイだと思われたが、もしかすると私小説に類する創作なのかもしれない。
 各編の並び順は一日の時刻順でもないし、内容も時代の順番でないし、
同じ一日の出来事ではないので、何処からでも読めるし、
つながりを気にせずに読めるのはとても良い感じがした。
 作者のその時の状況や気分が静かな語り口で綴られている読みやすい文体の上、
短篇なので、どれもさらりと読むことが出来た。
 その中では、ペットに関する話で哀しさや温かみを感じた『十五時』と、
少し怖い不思議な経験の『零時』が心に残った。


二十四時間

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2005.03.20 (Sun)

『富良野ラベンダー館の殺人 ―香りの殺人シリーズ―』

[著者]吉村達也
[出版社]角川書店 角川文庫
[初版発行]平成16年12月25日

[感想等]
 富良野の別荘(ラベンダー館)で妹の麻貴が発見した姉・美貴の死体。
 ラベンダーが敷き詰められて、ラベンダーの香りが充満している中に
全裸で横たわっている死体というのは現実にはありえないだろうが、
香りのイメージが広がり、ドラマのシーンのような感じがして、
北海道という土地にぴったりな事件だと思った。
 物語の展開に犯人の独白が時折挟み込まれた構成も悪くなく、
北海道の気候の独自性やラベンダーのアロマ効果などが
犯人の解明の手がかりになるのも良かった。

 口絵にラベンダーの香りが付いているのだが、
それも作品に雰囲気を加えている気がした。


富良野ラベンダー館の殺人

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2005.03.19 (Sat)

『剣と薔薇の夏』

[著者]戸松淳矩
[出版社]東京創元社 創元クライム・クラブ
[初版発行]2004年5月25日

[感想等]
 1860年、日本からの遣米使節団の来訪を迎えるニューヨークを舞台に、
連続殺人事件が起こるという歴史ミステリ。

 日本からの使節団来訪が話題になっているので、
使節団の中に居る日本人が主人公や探偵役なのだろうと思ったら、
ニューヨークの新聞社の記者が主人公&推理をして謎を解くので、
ちょっと期待が外れてしまった。
 が、使節団の日本人でなく、アメリカ人の立場から描写している分、
アメリカの時代背景やニューヨークの様子などが良く判って、
連続殺人の犯人や動機を追求するのに無理がなく面白かった。
 何よりも、主人公をはじめとする登場人物の人物像が良く、
特に、日本人の登場人物の中に使節団員だけでなく、
英語を話しアメリカ社会になじんでいる元漂流者もいたのが良かった。


剣と薔薇の夏

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2005.03.18 (Fri)

『比類なきジーヴス』

[著者]P・G・ウッドハウス
[訳者]森村たまき
[出版社]国書刊行会
[初版発行]2005年2月14日

[感想等]
 エドワード朝のイギリスを舞台に、紳士のバーディーが
学生時代からの友人のビンゴの持ち込んでくる、彼の恋の騒動や
一族のアガサ叔母や従兄弟に持ち込まれる、一族の問題等を
執事のジーヴスのアドバイスや裏工作で切り抜けていく、短編集。

 金持ちの有閑階級らしい頼りないバーディーやその友人をはじめ、
登場人物達の奇抜な行動や引き起こす事件も馬鹿馬鹿しいのだが、
(最後になってバーディーがやっと気が付くのだが、)
抜け目無く事件を解決し利益を得ていた執事ジーヴスの姿が際立ち、
イギリスらしい皮肉なユーモアというのか、妙な面白さがあった。


比類なきジーヴス

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2005.03.17 (Thu)

『漂う殺人鬼』

[著者]ピーター・ラヴゼイ
[訳者]山本やよい
[出版社]早川書房
[初版発行]2005年1月31日

[感想等]
 ピーター・ダイヤモンド警視シリーズの最新作。
 サセックス州ワイドヴュー・サンズという海岸で殺害された女性は
大学で心理学を教えながら、プロファイラーとして活躍している女性だった。

 彼女の身元がすぐには判らず、捜査協力の申し入れがあり、
ダイヤモンド警視の出番になるまでも曲折があったし、
彼女が担当していた事件が有名人を狙った殺人事件だったため、
なかなか捜査が進展しないのだが、それがもどかしくなく面白かった。
 プロファイリングが関係していたり、
精神的問題の有りそうな犯人による連続殺人は流行という感じの展開だが、
コールリッジの詩の一節を現場に残していく、
殺人犯の行動などはイギリスの犯罪らしさを感じた。


漂う殺人鬼

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2005.03.16 (Wed)

『死者の身代金』

[著者]エリス・ピーターズ
[訳者]岡本浜江
[出版社]光文社 光文社文庫(修道士カドフェルシリーズ9)
[初版発行]2004年5月20日

[感想等]
 12世紀半ばのイングランドの修道士、カドフェルを主人公とする、
ミステリーシリーズの第9巻。
 王権争いの内乱の中、ウェールズで捕虜になった州執行長官と
ウェールズの青年との捕虜交換の実現直前に、
長官が殺され、その犯行の手口や犯人をカドフェルが解き明かしていく。

 今回も若い男女の恋模様が絡んできて、その決着も楽しめた。
 が、何より、長官の死が窒息させられたことによるものと判定し、
死体の鼻や髪の毛についていた糸くずの発見したことから、
凶器となった布を探すというのが、
現代の鑑識の資料を捜査するのを思わせて、面白かった。


死者の身代金


<My Blog関連記事>『悪魔の見習い修道士』

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2005.03.15 (Tue)

『悪魔の見習い修道士』

[著者]エリス・ピーターズ
[訳者]大出健
[出版社]光文社 光文社文庫(修道士カドフェルシリーズ8)
[初版発行]2004年3月20日

[感想等]
 12世紀半ばのイングランドの修道士、カドフェルを主人公とする、
ミステリーシリーズの第8巻。
 今回は見習い修道士としてやってきた青年と、
行方不明になっていた王の弟の司教からの使者の死とのかかわりの真相を
カドフェルが解き明かしていく。

 この巻でも、シリーズものならではの主人公や
彼を取り巻く修道院内外の人間関係の面白さを相変わらず楽しめた。
 若い男女の恋愛が絡むのも相変わらずだが、しばらく忘れていた
舞台の背景となっている国内の内乱がまた急を告げてきたのが印象的だった。
 また、親子の関係や女性の強さなど、現代にも通じる人間の姿を感じた。


悪魔の見習い修道士


<My Blog関連記事>『聖域の雀』

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2005.03.14 (Mon)

『聖域の雀』

[著者]エリス・ピーターズ
[訳者]大出健
[出版社]光文社 光文社文庫(修道士カドフェルシリーズ7)
[初版発行]2004年1月20日

[感想等]
 12世紀半ばのイングランドの修道士、カドフェルを主人公とする、
ミステリーシリーズの第7巻。

 結婚披露宴での殺人と盗みの疑いをかけられた旅の曲芸師若者が
町の人々に追われ、教会の祈りの最中に駆け込んでくるという、
緊迫感あふれる物語の開幕の場面がとても印象的だった。
 その若者を教会権力の庇護下に匿うことになり、
彼が犯人ではないと信じたカドフェルが人々から話を聞く中に、
犯人へとたどり着く証拠が散りばめられてあって、
次第にカドフェルには犯人が判ってくるというのは今までの巻と同じである。

 が、今回の事件は、嫁と小姑との争いや金銭に執着する老主人や、
人妻と密会する新婚の夫や秘密を元に利益を得ようとする者という、
金細工職人の家族を中心とする人間関係の中で起こる殺人であって、
設定が現代になっても起こりうる事件ではないかと感じられた。


聖域の雀


<My Blog関連記事>『氷のなかの処女』

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2005.03.13 (Sun)

『シェイクスピアの密使』

[著者]ゲアリー・ブラックウッド
[訳者]安達まみ
[出版社]白水社
[初版発行]2005年3月1日
[感想等]
 17世紀はじめのイギリスで、主人公の少年・ウェッジが、
シェイクスピアの宮内大臣一座の徒弟となって成長していく物語、
『シェイクスピアを盗め!』『シェイクスピアを代筆せよ!』の続編。

 前二作を読んでいなくても充分楽しめると思われる。
 ウェッジがシェイクスピアの娘に恋をしたり、
ライバル・海軍大臣一座のスパイの疑いを受けクビになったとして
ウェッジが海軍大臣一座へもぐり込んで暗号の謎を探ったりと、
いろいろな展開を見せ、面白く読めた。

 だが、何よりも、シェイクスピアの書きかけの台本を元に、
ウェッジが台本を書くのに挑戦するというエピソードが興味深かった。
 シェイクスピアの時代の演劇界だけでなく、
カトリックへの弾圧やエリザベス女王の様子や、
占い師やニューゲイト監獄まで登場するが、
時代の背景や雰囲気を良く添えている感じだし、難しくない。


シェイクスピアの密使

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2005.03.12 (Sat)

『東日流妖異変 つがるよういへん 龍の黙示録』

[著者]篠田真由美
[出版社]祥伝社 ノン・ノベル
[初版発行]平成14年2月20日
[感想等]
 『龍の黙示録』シリーズ第二作目。
「東日流(つがる)」=「津軽」の寒村で百年に一度行なわれる祭、
「御還り祭」を舞台に、吸血鬼「御還り様」との
柚ノ木透子・龍緋比古らの対決を描く伝奇小説。

 津軽のイエス・キリスト伝説も絡む今回のストーリーは
明治時代の出来事が現代にも関連してくる点など、
前作と共通する部分もあるが、少々残酷味が増えた感じもした。
 しかし、前作より透子が活躍した感じがして、なかなか面白かった。


東日流妖異変 龍の黙示録


<My Blog関連記事>『龍の黙示録』

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2005.03.11 (Fri)

『龍の黙示録』

[著者]篠田真由美
[出版社]祥伝社 ノン・ノベル
[初版発行]平成13年4月10日
[感想等]
 吸血鬼都市伝説が蔓延し、行方不明者が増えている東京。
保険会社をクビになった透子は怪しげな著述家の龍の秘書の仕事を
紹介され、変事に巻き込まれていくという伝奇小説。

 シリーズの一作目らしく、
美貌の龍緋比古やライルの正体への興味を持たせるだけでなく、
イエス・キリストの話と吸血鬼の話が結びつく話には発想の面白さがあり、
一気に読んでしまった。


龍の黙示録

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2005.03.10 (Thu)

『彼方なる歌に耳を澄ませよ』

[著者]アリステア・マクラウド
[訳者]中野恵津子
[出版社]新潮社 新潮クレスト・ブック
[初版発行]2005年2月25日
[感想等]
 18世紀末にスコットランドからカナダの島ケープ・ブレトンへ
渡ってきたハイランダーの一族の六代目の子孫である主人公が、
遠い祖先や家族の歴史を回想しながら語る物語。

 主人公自身が体験した家族の死や色々な出来事の中だけでなく、
一族に語り継がれている祖先の逸話や歌の中に、
スコットランド人の誇り・悲しみ・家族愛などの情の深さや強さが、
静かに訴えられているように感じられるような気がして、
哀しみに満ちているものの、好感の持てるストーリーだった。 


彼方なる歌に耳を澄ませよ

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2005.03.09 (Wed)

『九つの殺人メルヘン』

[著者]鯨統一郎
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ
[初版発行]2001年6月25日

[感想等]
 日本酒バーに集まる男達が話題にするアリバイのある殺人事件の
犯人をふらりと現れる女子大生が解いていく連作の短編集。

 それぞれがグリム童話になぞらえられた事件なのが面白いし、
日本酒のウンチクなどがあったり、
最後の短篇であっといわせる結末が待っているのも良かった。


九つの殺人メルヘン

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2005.03.08 (Tue)

『24 TWENTY FOUR Ⅲ』①~④

[原案者]ジョエル・サーナウ ロバート・コクラン
[編訳者]小島由記子
[出版社]竹書房 竹書房文庫
[初版発行]平成16年11月6日~12月28日

[感想等]
 事件をめぐる24時間の出来事を1時間×24回という形で放映して、
話題になったアメリカの人気ドラマ第3シーズンの小説版。

 ドラマでは時間経過が画面上に表記され、緊迫感を煽るが、
小説版も随所に時間が記されていて、時間経過を味わえる。
 裏切りあり、陰謀あり、次々意外な方向へ進む
少々やりすぎではないかと思われる話の展開は、
前2作よりもレベルアップした感じだし、
細菌テロを扱っている今回のストーリーは、
小説版だけでも面白さは味わえた。

 ただし、私は原作のドラマの前の2シーズン分を見ているので、
登場人物の関係などの知識があるので、理解しやすかったが、
見ていない人には判りにくい部分などもあるかもしれない。 


24 TWENTY FOUR Ⅲ①24 TWENTY FOUR Ⅲ②24 TWENTY FOUR Ⅲ③24 TWENTY FOUR Ⅲ④

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2005.03.07 (Mon)

『検屍官の領分』

[著者]マージェリー・アリンガム
[訳者]佐々木愛
[出版社]論創社 論創ミステリ7
[初版発行]2005年1月20日

[感想等]
 第二次大戦中のイギリスを舞台にしたミステリー。
1945年の発表作品で、作者はクリスティなどと並ぶ英国女流推理作家。

 最近の作品のように速いテンポで話が進まなかったり、
登場人物に貴族階級が出てきたりするところが、
クリスティの作品の雰囲気に似ていて、英国のものらしい感じがした。
 単なる殺人の犯人当てかと思った事件が実は複雑で、
登場人物達の人物像・人間関係の真実が次第に見えてくる話の展開が良かった。


検屍官の領分

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2005.03.06 (Sun)

『暗闇<ダークサイド>を追いかけろ―ホラーサスペンス編―』

[著者]明野照葉 他
[編者]日本推理作家協会
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ
[初版発行]2004年11月25日

[感想等]
 2001年1月号から2003年12月号までの各誌に発表された、
最新ベスト・ミステリーのホラー・サスペンス編として
17人の作者の17編が収められている短編集。

 どれもホラーやサイコな味わいでそれぞれ面白さがあるが、
私には、鯨統一郎の酒場で歴史推理が始まる『アトランティス大陸の秘密』、
倉坂鬼一郎の懐かしい情景の中に怖さのある『昭和湯の幻』などが
面白く感じた。


暗闇を追いかけろ

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2005.03.05 (Sat)

『九時から五時までの男』

[著者]スタンリイ・エリン
[訳者]小笠原豊樹 他
[出版社]早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫
[初版発行]2003年12月31日

[感想等]
 ブラックな味わいの短篇10篇を収める短編集。

 表題作の『九時から五時までの男』などの設定の面白い作品や
『不当な疑惑』などのその後が気になるような作品など、
どの作品も4・50年位前の作品なのに、
古さを感じない風刺性やアイディアを楽しめた。


九時から五時までの男

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2005.03.04 (Fri)

『アイルランド田舎物語―わたしのふるさとは牧場だった』

[著者]アリス・テイラー
[訳者]高橋豊子
[出版社]新宿書房
[初版発行]1994年2月25日

[感想等]
 作者の子供時代の1940年代のアイルランドの農村生活を回想した物語。

 子どもの目から見た牧場の作業の様子や近所の人々との触れ合いなど、
暮らしの様子が、郷愁にひたり過ぎず、気取らずに書いてあるのが良かった。
 また、宗教問題やイギリスとの関係など色々な問題のあるアイルランドの国の
第二次大戦中というかなり厳しい時代の物語なはずなのに、
育児や日々の暮らしの営みへの人々の心の豊かさや強さを深く感じさせられた。


『アイルランド田舎物語―わたしのふるさとは牧場だった』(amazon.co.jp)

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2005.03.03 (Thu)

『ロザリオとともに葬られ』

[著者]リサ・ジャクソン
[訳者]富永和子
[出版社]ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス
[初版発行]2004年8月20日

[感想等]
 ニューオーリンズのラジオ局で悩み相談番組を担当する
精神分析医サマンサに「ジョン」と名乗る男からの脅迫電話が。

 彼女には、かつてラジオで相談を受け、
救えなかった少女に対する後悔の念があり、
それを乗り越えて、ラジオ番組をしているという過去があることが、
早くから明かされて、その関係者が犯人ではと思われたり、
ラジオ局関係者が怪しかったり、別れたばかりの恋人や、
急に近づいてくる男がいたり、すぐには犯人が判らない話の展開は良かった。
 
 ただし、復讐による犯罪だけでなく、
性的連続殺人が絡むのは、最近ありがちな設定にも思えた。


ロザリオとともに葬られ

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2005.03.02 (Wed)

『リリーからの最後の電話』

[著者]トビー・リット
[訳者]雨海弘美
[出版社]ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス
[初版発行]2004年9月20日

[感想等]
 自分と一緒にレストランにいる時に、殺し屋に狙撃されて、
元恋人の女優リリーは死に、コンラッドは奇跡的に命を取り留めた。
 なぜ殺し屋に狙われたのか、妊娠していたリリーの子どもの父親は自分なのか
という疑問を解くため、独自に捜査しはじめたコンラッドは、
真実を知り復讐を図ろうとする。

 ミステリーとしては、電話の通話記録からリリーの交友関係を探ったり、
リリーの両親や俳優夫婦、コメディアン他の登場人物達も良く描かれているし、
演劇界やメディア界の裏側なども出てきて、なかなか面白い展開をする。
 が、残念なことに、主人公のコンラッドがあまりにも情けない男すぎて、
私には、あきれるだけで同情や共感ができなかった。


リリーからの最後の電話

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2005.03.01 (Tue)

『百人一首 一千年の冥宮』

[著者]湯川薫
[出版社]新潮社
[初版発行]2002年8月30日

[感想等]
 1993年のニューヨークで起こった完全密室の中での日本人達の死。
 その真相と行方不明になった恋人の行方を突き止めようしていた早乙女隼が
日本に戻った後、2001年にシュレ猫探偵団に調査を依頼したことから、
その真相や恋人のその後を知ることになる物語に、
百人一首と百人秀歌の謎や平家の落人伝説、黒魔術、カバラなどが絡み、
なかなか読み応えのある作品だった。
 ただし、その反面、百人一首に関する部分の、暗号の謎解きや、
百人秀歌との関連への考察の面白さが薄れてしまった感もある。


百人一首 一千年の冥宮

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