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2005.04.30 (Sat)

『サソリの神Ⅰ オラクル ―巫女ミラニィの冒険―』

[著者]キャサリン・フィッシャー
[訳者]井辻朱美
[出版社]原書房
[初版発行]2005年2月5日

[感想等]
 この作品は砂漠の中の神殿や死者の都と港からなる、
「二つの国」の物語、3部作の第1巻目である。
 「オラクル」とは神殿の「お告げ所」のこと。
神殿で神に仕える九巫女がいて、
その最高位の「語り手」が神の声を聞き、人々に告げ、
王・アルコンが国を治めている。
 女主人公の巫女・ミラニィは聖なる神・サソリを運ぶ役の、
第2位の「運び手」に抜擢されたことで、
傀儡の偽の王を立てる企みを知り、阻止しようするストーリー。

 サソリを神聖化し、書記などの居る死者の都の下に、
王墓があるところなどはエジプト的であり、
王・アルコンは亡くなると10歳の少年として蘇り、
次の王位を継承するというしくみは、チベット的な感じがしたし、
巫女の神託などにはギリシャ的なものを感じるし、
過去の文明をいくつもミックスしたような感じがして、
ちょっと不思議なファンタジィ世界だと感じた。
 軍隊の将軍が巫女の最高位と結託して、
傀儡の王を立て自分達が国を治めようと企む点などは、
よく有りそうな話なのだが、
弔いの儀式などにみる神や宗教の設定が興味深い作品だった。
 ただし、弔いや次王決定などの宗教儀式が詳しい分、
王の統治の様子や、国の様子があまり判らなかったので物足りず、
続巻以降、そういう点が見たい気がした。


サソリの神Ⅰ オラクル

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2005.04.29 (Fri)

『ギブソン』

[著者]藤岡真
[出版社]東京創元社 ミステリ・フロンティア
[初版発行]2005年4月15日

[感想等]
 失踪した上司・高城の行方を追求する、主人公・日下部が、
高城の近所に住む人々や、関わりのあった人々の不可解な行動や
次々判明していく不可解な出来事や事実に、
混乱させられながらも、結局はそれらが結びついていき、
失踪の謎が解け、上司や周囲の人々の真実の姿が見えてくるという
ストーリーの展開がとても面白かった。

 ギブソンというのは何かと思っていたら、カクテルの名前だそうで、
単に、上司が好きだったカクテルというだけでなく、
そのカクテルについてのウンチクが実は誤解に満ちているそうで、
このストーリーの中での日下部の様々な誤解を思わせるような
タイトルになっているのが意味深である。


ギブソン

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2005.04.28 (Thu)

『フライアーズ・パードン館の謎』

[著者]フィリップ・マクドナルド
[訳者]白須清美
[出版社]原書房 ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ
[初版発行]2005年3月22日

[感想等]
 かつて何人かの所有者が謎の死を遂げ、
超自然的な出来事が起こるという評判のある館の
水の無い密室で女流作家が溺死しているのを発見されるという設定で、
心霊術で犯人を追い詰める結末を含め、
いかにも昔の英国ミステリという感じの作品である。
 私には犯人は途中で察しがついてしまったが、
どうやって溺死させたかという謎の部分が良く出来ていたので
まあまあ面白く読めた。


フライアーズ・パードン館の謎

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2005.04.27 (Wed)

『事件現場に行こう ―最新ベスト・ミステリー カレイドスコープ編―』

[著者]阿刀田高 他
[編者]日本推理作家協会
[出版社]光文社 カッパ・ノベルス
[初版発行]2001年11月25日

[感想等]
 カレイドスコープ(万華鏡)の副題通り、
1998年1月号から2000年12月号までに雑誌に発表された、
様々な著者の様々なミステリー短篇16編を集めたアンソロジー。

 それぞれ、作者の特色が出ていて楽しめたが、特に、
愛人が死んだ男性の胎児の認知の為に遺体の髪を求める
女性のしたたかさ・怖さを描いた、夏樹静子の『あの人の髪』、
法廷で目撃証人の記憶が混同した可能性を指摘され、
容疑者が無罪になる、深谷忠記の『無意識的転移』などが、
心に残った。


事件現場に行こう

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2005.04.26 (Tue)

『ロミオとロミオは永遠に』

[著者]恩田陸
[出版社]早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション
[初版発行]2002年10月31日

[感想等]
 近未来の地球は膨大な科学物質や産業廃棄物に覆われてしまい、
ほとんどの地球人は新地球へ移住しているというのに、
日本人は残っていて、廃棄物処理などをしていて、
「大東京学園」というエリートへの近道となる高校があり、
過酷な入試を勝ち抜いたものだけが入学できるという設定から
環境汚染や受験戦争への非難をこめたSF作品なのかと思っていた。

 が、読んでみると、近未来からみて前の時代にあたる、
20世紀末の日本の様々なサブカルチャーに関する話題が多く、
とても不思議な作品だった。
 学園からの脱走というテーマは映画「大脱走」のイメージだと
作者があとがきで語っているが、
各章のタイトルが昔の映画のタイトルだったりしているし、
映画だけでなく、様々な20世紀末の出来事を知っていればいるほど、
ノスタルジーを感じたり、楽しめる作品ではないかと思う。



ロミオとロミオは永遠に


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2005.04.25 (Mon)

『レモンメレンゲ・パイが隠している』

[著者]ジョアン・フルーク
[訳者]上條ひろみ
[出版社]ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス
[初版発行]2004年10月20日

[感想等]
 ハンナ・スウェンセンのシリーズの第4作目。
 ハンナの恋人の1人であるノーマンが買った家の、
元所有者であるロンダが殺害されてしまい、
お菓子探偵こと、クッキーショップ経営のハンナが犯人捜しに乗り出す。

 このシリーズは毎回、美味しそうなクッキーやお菓子の話が出てきて、
そのレシピが紹介されるという、ミステリー以外の楽しみもあるので、
気に入っている。
 また、レイク・エデンという夏は賑わう田舎町のイベントの様子、
クッキーショップを切り盛りしているハンナの仕事振りと家での暮らし、
刑事・マイクと歯医者・ノーマンという恋人2人との関係の進展具合、
ハンナの家族や周囲の人の人間像などといった部分の面白さも魅力なのだが、
今回もそれらも健在で楽しめた。


レモンメレンゲ・パイが隠している

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2005.04.24 (Sun)

『QED 百人一首の呪(しゅ)』

[著者]高田崇史
[出版社]講談社 講談社文庫
[初版発行]2002年10月15日

[感想等]
 『QED』シリーズ第一作。
 百人一首コレクターの惨殺事件のアリバイ崩しと、
百人一首の配列の謎解きを薬剤師・桑原祟が挑むミステリー。

 薬剤師なのに文学などにも詳しく、つかみ所の無い感じの主人公が
犯人を突き止めてしまうというのはタイトルから推察できたものの、
その過程で百人一首に関する謎を解く試みもあった点や、
薬剤師だから判る薬や人間の記憶という医学的な知識から、
犯人解明が出来るという部分があったのでとても面白かった。
 特に、百人一首の配列に関する考察に関しては、
私には以前読んだことのある織田正吉の『絢爛たる暗号』よりも
納得がいく感じがした。


QED 百人一首の呪(しゅ)

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2005.04.23 (Sat)

『スクランブル』

[著者]若竹七海
[出版社]集英社 集英社文庫
[初版発行]2000年7月25日

[感想等]
 17歳の女子高校生だった頃に起こった殺人事件を
15年後、高校時代の友人の結婚披露宴に集まった仲間達が、
回想しているうちに、犯人を知ることになるという形のミステリー。

 過去の事件の回想の形で、事件や犯人を推理するとか、
その当時は判らなかった犯人が、時効となる15年後に判るというのは、
それほど目新しいミステリーではないとは思う。
 が、自分の高校時代(女子高ではなかったが)のことなど思い出され、
あの頃の仲間に会いたくなるような気分になれる作品として楽しめた。


スクランブル

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2005.04.22 (Fri)

『乱歩賞作家 青の謎』

[著者]阿部陽一 他
[出版社]講談社
[初版発行]2004年8月19日

[感想等]
 乱歩賞作家5人(阿部陽一・藤原伊織・渡辺容子
池井戸潤・不知火京介)による短編ミステリ集。

 どれもそれぞれに特色があって面白い作品だった。
 が、その中では、女性を主人公としている2作品、
阿部陽一の『沈黙の青』が
友人の心中事件を殺人ではないかと調べようとしていくうちに、
同じように田舎から出てきた羽振りの良い友人を羨むだけだった、
主人公・直子が変わっていく様を描いていて、良かったし、
渡辺容子の『ターニング・ポイント』は
主人公の女性保安員・薔子(しょうこ)の仕事の様子から、
仕事をする女性達の悩みなども感じられた分、良かった。


乱歩賞作家 青の謎


<My Blog関連記事>『乱歩賞作家 赤の謎』

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2005.04.21 (Thu)

『消えた山高帽子 ―チャールズ・ワーグマンの事件簿―』

[著者]翔田寛
[出版社]東京創元社 ミステリ・フロンティア
[初版発行]2004年6月25日

[感想等]
 明治6年の横浜居留地における事件を新聞記者・ワーグマンが、
医師・ウィルスをワトソン役にし、解決していく連作ミステリ。

 主人公が日本語を話せるイギリス人という設定なので、
居留地の西洋人だけでなく日本人も関係しているような、
日本と西洋の文化の違いや人情などの共通性を感じさせる事件を
扱っているのが良かった。
 特に表題作『消えた山高帽子』では、
西洋の素人劇団の公演を見た歌舞伎役者・市川升蔵(ますぞう)の
感想があったり、ロミオ&ジュリエット風な恋愛に絡む事件を
主人公より活躍して升蔵が解決した感じのストーリーで、
なかなか面白かった。


消えた山高帽子

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2005.04.20 (Wed)

『珈琲相場師』

[著者]ディヴィッド・リス
[訳者]松下祥子
[出版社]早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫
[初版発行]2004年6月30日

[感想等]
 1659年のアムステルダムで相場師・ミゲルが
次々起こる妨害や誰が敵か味方か判らない状況の中、
コーヒーの相場での大儲けを目論み、駆け引きする歴史ミステリ。

 相場やユダヤ教徒の共同体の話などが絡むので、
少々判り難い部分もあったものの、
主人公をめぐる人間関係の敵味方が判然としていく面白さや
最後に主人公が儲けることが出来るのかという興味の点で楽しめた。


珈琲相場師

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2005.04.18 (Mon)

『新編 明治人物夜話』

[著者]森銑三
[編者]小出昌洋
[出版社]岩波書店 岩波文庫
[初版発行]2001年8月17日

[感想等]
 明治の人物に関する逸話などを様々な文献からの引用や、
著者の見聞などから書き記し、雑誌に発表したものを集めた作品。

 夏目漱石や明治天皇などの有名な人物の話もあるが、
今日ではあまり話題にならないような人物のことを
細かく取り上げている点が興味深かった。
 人物に対する様々な書物からの引用による逸話も面白かったが、
著者が実際に知っている人物に関する逸話が良かった。
 中でも師と仰いでいた井上通泰のことを書いた『南天荘学園』や
『狩野亨吉先生』には著者の師への尊敬や追慕の気持ちが
あふれているように感じられた。


『新編 明治人物夜話』(amazon.co.jp)

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2005.04.17 (Sun)

『欺く炎』

[著者]スザンヌ・チェイズン
[訳者]中井京子
[出版社]二見書房 二見文庫
[初版発行]2004年9月25日

[感想等]
 ニューヨーク市消防局(FDNY)の火災捜査部の女捜査官である
ジョージア・スキーアンが主人公のサスペンス第2作目。
 女医とそのパートナーの医師が連続して自宅で焼死を遂げ、
放火殺人という疑念を抱いたジョージアが調査を始める。

 情報提供を求めた彼女の親友のニューヨーク市警の
放火爆発捜査班(A&E)の女刑事・コニーが血痕を残し行方不明になり、
その犯人としてジョージアの上司&恋人であるマレンコが逮捕されてしまい、
前作ではあまり語られなかった人々の過去なども詳しく判ったし、
犯人の正体が意外な事もあって、面白かった。

 また、この作品は2001年9月1日のテロ事件の後に書かれていて、
作者からのその事に関するメッセージからもうかがえるように、
前作以上に消防士や火災捜査官達への尊敬・感謝・賞賛の気持ちが
現れている作品になっているように感じた。


欺く炎


<My Blog関連記事>『火災捜査官』

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2005.04.16 (Sat)

『火災捜査官』

[著者]スザンヌ・チェイズン
[訳者]中井京子
[出版社]二見書房 二見文庫
[初版発行]2003年11月25日

[感想等]
 ニューヨーク市消防局(FDNY)の火災捜査部の女捜査官である
ジョージア・スキーアンが、放火犯人を追うサスペンス。

 消防士として7年勤めた後、捜査官になったものの、
一年半という新米の上に女ということで、
男ばかりの中ではまともに扱ってもらえない主人公は、
私生活でも未婚の母として息子との関係に苦労しているという設定だし、
発生する火災事件も消防内部での揉み消しが疑われたり、
火災の場面の悲惨さ以外も、結構、暗く重い話だった。
 また、都合よい場所に主人公が居合わせたり、
犯人などに関する情報が手に入りすぎるストーリー展開だと
いう感じがしないでもなかった。

 が、消防の世界の様子のリアルさもあったし、
登場人物の人物像などがよく表現されていたので、
なかなか読み応えがあり面白かったと思う。


火災捜査官

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2005.04.15 (Fri)

『イシスの娘 ―古代エジプトの女たち―』

[著者]ジョイス・ティルディスレイ
[訳者]細川晶
[出版社]新書館
[初版発行]2002年8月5日

[感想等]
 古代エジプトにおける女性の役割や生涯などを考察した著作。

 女王や王族から庶民までの様々な階層の女性だけでなく、
女性を中心にしたエジプトの人々の暮らしが描かれていて、
知らなかったことも多く、興味深い内容だった。
 特に、古代エジプトでは女性は男性の保護下にはなく、
比較的自由で財産への権利もあったのに、
ギリシャやローマでの女性の立場に影響されたことで
次第に女性の権利が蝕まれて束縛されていったこと、
を初めて知り、とても驚き、残念に思った。


イシスの娘

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2005.04.14 (Thu)

『ユートピア』

[著者]リンカーン・チャイルド
[訳者]白石朗
[出版社]文藝春秋 文春文庫
[初版発行]2003年12月10日

[感想等]
 アメリカ一の巨大テーマパーク「ユートピア」を舞台に、
その技術と売上金を狙ったテロリストがコンピューターシステムに侵入し、
アトラクションの動作を狂わせ、事故を起こすというパニック・サスペンス。

 架空のテーマパーク「ユートピア」の様子に関しては、
3D効果やロボットの説明やスタッフの活動の描写が詳しく、
夢がありながらもリアルなテーマパークとして感じられた。

 が、肝心のテロリストとの対決に関しては、
PCやロボットの技術で対抗して制圧していくことよりも、
銃器や爆薬などを使うことが目立ってしまっているのが残念だった。
 例えば、偶然パークに遊びに来ていて巻き込まれた武装警備員・プールに
銃撃や追跡などの直接対決するようなことは任せてしまって、
主役のロボット学者・ウォーンという人物などが、
もっとロボットに関する頭脳や技術的な方法で対抗する話になっていたら、
もう少し頭脳戦的な対決が見られて、面白みが増したと思うのだが。


ユートピア

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2005.04.13 (Wed)

『最後のロシア大公女 ―革命下のロマノフ王家―』

[著者]マリーヤ大公女
[訳者]平岡緑
[出版社]中央公論新社 中公文庫
[初版発行]1987年6月10日

[感想等]
 皇帝アレキサンドル三世の姪のマリーヤ大公女が
ロシア革命により、ロシアを離れるまでの半生を綴ったもの。

 幼くして母を失ったため父から離され、叔父夫婦に育成されたり、
スウェーデン王家に嫁いだものの離縁されたり、
弟のドミートリ大公がラスプーチン暗殺に関わり追放された末、
ロマノフ王家の一員としてロシア革命に巻き込まれた
彼女の半生は非常に波乱に満ちていて、痛ましい部分が多かった。
 しかし、離婚後の彼女が王家の大公女として無為に暮さずに、
従軍看護婦として働いたりしながら、
内気で従順な若い女性から気丈で人間味あふれる女性へと
変わって行く様子などが本人の回想から感じられたのが良かった。

 ただ、ロシア脱出で終わっている半生記なので、
その後の彼女(南米で没したらしい)が判らず、残念に思えた。


最後のロシア大公女

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2005.04.12 (Tue)

『共犯者』

[著者]松本清張
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ 松本清張短篇全集11
[初版発行]1965年2月1日

[感想等]
 昭和30年代後半に発表されたものを中心とする短篇推理小説8篇を収録。

 表題作『共犯者』は、疑心暗鬼から自らの過去の犯罪を露わにしてしまう男の話で、
成功したがゆえに、過去の露呈を恐れる心理状態などが面白く描かれていたし、
万葉古代史を学ぶ学生の犯罪を描く『万葉翡翠』などは、
古代史にも関心が深かった作者らしい作品だと思われた。


共犯者

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2005.04.11 (Mon)

『青のある断層』

[著者]松本清張
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ 松本清張短篇全集2
[初版発行]1963年12月15日

[感想等]
 松本清張の短篇で昭和28年から30年に発表されたもの8篇を収録している。

 表題作『青のある断層』は美術界を描いた作品だが、
歴史小説の短篇が主で、なかなか面白い着眼のある作品群だと思えた。
 中では『面貌』という、徳川家康の子・松平忠輝を
容貌に関するコンプレックスを持つ人間として描いた作品が、
作者のコンプレックスにも繋がっている部分があるのか、
主人公の気持ちを良く捉えているように感じ、とても良かった。


青のある断層

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2005.04.10 (Sun)

『陰陽師 鬼一法眼 おんみょうじ おにいちほうげん ―鬼女之巻―』

[著者]藤木稟
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ
[初版発行]2003年7月25日

[感想等]
 陰陽師・鬼一法眼(龍水)の活躍を描く伝奇小説シリーズの第5巻目。
 この巻では、天狗達の企みにより、ますます幕府内は政権争いで混乱していき、
後に尼将軍となる政子が弟・義時ら北条一族の中心として
次第に、幕府内での反・頼家、反・比企の動きが強まり、
天狗達の企みにより、ますます幕府内は政権争いで混乱していく。

 巻名に鬼女とある通り、我が子のため鬼になる母の話が、
政子という、子を殺害することに同意し鬼になる母との
対比という感じが描かれている点が良く出来ていたと思った。
 今までの巻では合戦に縁の無かった足軽・村上兵衛が
北条と比企との戦いに出陣してしまったり、
法眼までも梶原氏を滅ぼす手助けをすることになった設定に、
乱の世になってしまったことをしみじみ感じさせられたのも良かった。


陰陽師 鬼一法眼 ―鬼女之巻―


<My Blog関連記事> 『陰陽師 鬼一法眼 ―切千役之巻―』

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2005.04.09 (Sat)

『陰陽師 鬼一法眼 おんみょうじ おにいちほうげん ―切千役之巻―』

[著者]藤木稟
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ
[初版発行]2002年3月30日

[感想等]
 陰陽師・鬼一法眼(龍水)の活躍を描く伝奇小説シリーズの第4巻目。

 この巻では、頼朝が亡くなり、人望がなく傍若無人な頼家が後を継ぐ。
 が、女天狗を憑かせた安達景盛の側室を頼家に奪わせることで、
ますます頼家の人望を無くし、鎌倉幕府内の権力争いの火種を作ったり、
幕府転落への天狗達の様々な形での企みはますます進んできているが、
史実として知る歴史にこんな場面があってもおかしくないと
絵空事でないように思わせる部分もあって興味深かった。
 さらに、法眼の持つ、魔刀・「切千役(きりちやく)」を頼家に欲しがらせ、
法眼を亡き者にしようとしたりいう企みまでなされ、
法眼もそろそろ傍観者的立場では居られなくなってきた感じがした。

 「切千役(きりちやく)」は実は刀ではなく、法眼が持っている力なのだが、
鬼一法眼という部外の陰陽師の今まで知られてなかった役割などが、
詳しく説明されていたのが良かった。
 また、地獄へ行ってしまいそうになる頼朝を、
法眼が技を用いて、閻魔大王から奪おうとする場面が、
少しユーモラスに描かれてい面白みがあった。


陰陽師 鬼一法眼 ―切千役之巻―


<My Blog関連記事> 『陰陽師 鬼一法眼 ―参之巻―』

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2005.04.08 (Fri)

『陰陽師 鬼一法眼 おんみょうじ おにいちほうげん ―参之巻―』

[著者]藤木稟
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ
[初版発行]2001年5月30日

[感想等]
 陰陽師・鬼一法眼(龍水)の活躍を描く伝奇小説シリーズの第3巻目。

 この巻では、頼朝や鎌倉幕府への天狗達の企みが進み、
ついには頼朝を守っていた法眼が鎌倉を一時離れることになってしまい、
物語が展開し、複雑になったように感じられた。
 作者の創作による「踊念仏」の発祥に関する話が、
深刻な話の中でのコミカルな感じの挿話という感じで楽しめた。
 また、『竹取物語』が題材として扱われているのが良かった。


陰陽師 鬼一法眼 ―参之巻―


<My Blog関連記事> 『陰陽師 鬼一法眼 ―弐之巻―』

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2005.04.07 (Thu)

『陰陽師 鬼一法眼 おんみょうじ おにいちほうげん ―弐之巻―』

[著者]藤木稟
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ
[初版発行]2000年12月20日

[感想等]
 陰陽師・鬼一法眼(龍水)の活躍を描く伝奇小説シリーズの第2巻目。

 この巻は前巻からの登場人物の足軽・村上兵衛と鬼一法眼の女房・水鳴が
法眼の使いで京都へ行ったため、京都の状況なども語られ、
物語の舞台も広がり、登場人物も増えて面白みが増した感じがした。
 鎌倉では、頼朝の娘・大姫の死に対する母・政子の話、
京都では娘の死に気が狂った老女の話と法眼の母の語があり、
母が主題になった展開になっているのが、なかなか良かった。
 また、京都の風水に関するウンチク的な説明があって陰陽師が出てくる
小説らしかった。


陰陽師 鬼一法眼 ―弐之巻―


<My Blog関連記事> 『陰陽師 鬼一法眼 ―壱之巻―』

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2005.04.06 (Wed)

『陰陽師 鬼一法眼 おんみょうじ おにいちほうげん ―壱之巻―』

[著者]藤木稟
[出版社]光文社 カッパ・ノベルズ
[初版発行]2000年1月30日

[感想等]
 鎌倉時代の鎌倉を舞台に陰陽師・鬼一法眼の活躍を描く伝奇小説の第1巻目。

 鎌倉幕府の源頼朝に恨みを抱く怨霊の正体に関する設定や、
天狗が出てきたり、蛇の復讐なども絡んだストーリーがなかなか面白かった。
 何より、陰陽師の活躍の場が平安時代の京都で無い所が目新しく、
安倍晴明を描いた陰陽師ものとは一味違う陰陽師ものという感じがした。


陰陽師 鬼一法眼 ―壱之巻―

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2005.04.05 (Tue)

『乱歩賞作家 赤の謎』

[著者]長坂秀佳 他
[出版社]講談社
[初版発行]2004年4月20日

[感想等]
 乱歩賞作家5人の5編を集めた短編集。

 それぞれに異なった趣で読み応えのある作品ばかりだったが、
昔と今の雪山遭難事件が交互に語られる、
新保裕一の『黒部の羆(ひぐま)』と、
行方不明の娘を探す癌患者を手伝うことになった医師の話、
川田弥一郎の『ライフ・サポート』が、私には面白く感じられた。


乱歩賞作家 赤の謎

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2005.04.04 (Mon)

『魔法使いとリリス』

[著者]シャロン・シン
[訳者]中野善夫
[出版社]早川書房 ハヤカワ文庫
[初版発行]2003年12月31日

[感想等]
 変身の技では世界一の魔法使い・グライレンドンに弟子入りした
青年魔法使いのオーブリィが、グライレンドンの妻・リリスに
いつしか心惹かれてしまうというファンタジィ小説。

 リリスやグライレンドンの召使の正体に関しては、
早いうちに察しがついてしまったが、
オーブリィの片想いが成就するかが気になって、
最後まで一気に読んでしまった。 
 結末は、あまりにも哀しく切なかったが、
エピローグの記述に救いがあって少しほっとした。


魔法使いとリリス

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2005.04.03 (Sun)

『死にゆく者の微笑 ―イヴ&ローク4―』

[著者]J・D・ロブ
[訳者]青木悦子
[出版社]ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス 
[初版発行]2004年2月20日

[感想等]
 ロマンス小説作家、ノーラ・ロバーツのもうひとつのペンネームによる、
21世紀半ばの近未来を舞台にした、ロマンチック・サスペンスで、
女警官イヴと大富豪ロークを主人公にしているシリーズの第四作目。

 イヴがロークとの新婚旅行先で遭遇した、
ロークの部下の若きエンジニアの自殺が単なる自殺でなく、
弁護士や上院議員などの自殺などに関連があり、
マインドコントロールによるものではないかと思った
イヴの調査が展開されるのだが、
現代にも起こりそうな事件という感じがする作品だった。

 前3作を以前読んできて、
イヴの複雑な生い立ちへのこだわりやロークとのロマンチックな関係や、
近未来の警察の捜査の様子が面白かったので、この作品も読んだのだが、
二人が結婚してしまってつまらなくなるのではとちょっと心配だった。
 が、結婚してもまだイヴの様々なこだわりなど、
解決していない部分もあるし、今後の進展も気になる感じがした。


死にゆく者の微笑

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2005.04.02 (Sat)

『ノルンの永い夢』

[著者]平谷美樹
[出版社]早川書房 ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
[初版発行]2002年11月30日

[感想等]
 マシンを使わないタイムトラベルで歴史の改変をするという発想の時間SF。

 第二次大戦下にドイツで消息を絶った数学者・本間鐡次郎の理論『時空論』
と似た発想を持つSF作品で2001年秋に新世紀SF新人賞をもらった兜坂亮は、
公安調査庁の調査対象になリ、養父が失踪してしまい、
次第に自分の過去の記憶等に対する疑問を抱くようになっていくという幕開けから
とても興味深いストーリーだった。

 が、第二次大戦下のドイツでの本間と現代の兜坂の状況が入り乱れ、
最後には様々な時空上の歴史がごちゃごちゃになり、
読んでいるうちに頭の中が混乱してしまうストーリーだった。


ノルンの永い夢

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2005.04.01 (Fri)

『百器徒然袋 ひゃっきつれづれぶくろ ―風―』

[著者]京極夏彦
[出版社]講談社 講談社NOVELS
[初版発行]2004年7月5日

[感想等]
 中編3篇『五徳猫』『雲外鏡』『面霊気』収録の京極堂・番外編シリーズ。
 京極夏彦作品でおなじみの、薔薇十字探偵・榎木津礼二郎が、
彼を陥れようとして、「下僕」の益田や本島らに仕掛けられた巧妙な事件を
関係者の見たものが「見える」ことで力任せに解決していく。

 榎木津のめちゃくちゃな言動・行動や強引な解決方法はこの本でも健在で、
今までの他の作品に劣らず、妙に引き込まれる魅力を感じさせられた。
 何より最終話『面霊気』のラストでの、
京極堂・中禅寺の榎木津に対する言葉に中禅寺の榎木津への善意や、
榎木津からの木島への手紙などに榎木津という人物の良さを感じ、
とても良い幕切れになっていると思えた。

 ただし、これ以前の作品を読んでいない人は、ネタバレ的な部分も多いし、
登場人物達の人間関係や人物像は理解しきれなくて、面白くないかもしれない。


百器徒然袋 ―風―

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