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2005.10.22 (Sat)

『さよなら妖精』

[著者]米澤穂信
[出版社]東京創元社 ミステリ・フロンティア3
[初版発行]2004年2月25日

[感想等]
 1991年4月に高校生・守屋路行(もりやみちゆき)が
クラスメートの太刀洗万智(たちあらいまち)と一緒に
偶然に出会った異国の少女・マーヤ。
 行く宛のない彼女を友人・白河いずるの宿に紹介し、
文原竹彦(ふみはらたけひこ)も加えた、
4人の高校生達はマーヤとの2ヶ月間の日々を過ごす。
 自分の国をユーゴスラヴィアとしか明かさずに、
帰国していったマーヤからの手紙が来ないまま、
1年が過ぎてしまい、紛争中のユーゴスラヴィア情勢に
気がかりになった路行は、
大学生になってなかなか会えない仲間を集めて、
何処へ彼女が帰っていったのかを
検討して確かめようと思うのだった。

 路行の日記を元に、過去を回想していく形式が、
高校生の日常がつづられている青春小説風でもあり、
不思議な異国の少女の存在が幻想的な小説のようでもあり、
ユーゴスラヴィアの紛争問題などの情報や過去の記憶から、
マーヤが帰った場所を推理する小説でもあり、
外国人との交流の様子や日本の風習などの再発見もある、
ちょっと変った小説なのだが、面白かった。

 何よりも、主人公・路行をはじめとする登場人物達に魅力があり、
マーヤに対する接し方の温かさなどが非常に気持ち良く、
人と人との出会いの不思議さ、人の優しさ等を
感じることのできる作品だと思った。

さよなら妖精

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2005.10.20 (Thu)

星影丸の5・7・5 №10

BlogPet の星影丸の口にした5・7・5を久しぶりに紹介します。

№10
kyu-575-010


『新装を 東大阪 文庫かな』

相変わらず適当に語句をつなげた5・7・5なのですが、
星影丸の世界では「東大阪文庫」という文庫が
創刊されているように読めるので、
なんだか面白く感じました。

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2005.10.19 (Wed)

『新装版 アームストロング砲』

[著者]司馬遼太郎
[出版社]講談社 講談社文庫
[初版発行]2004年12月15日

[感想等]
 佐賀藩での世界最新最性能大砲「アームストロング砲」の製造をめぐる
表題作『アームストロング砲』など幕末の天才・異才・奇才を描いた9篇を集めた短編集。

 表題作『アームストロング砲』の製造の為に精神を病んでしまう事になった秀才や、
『倉敷の若旦那』の立石孫一郎という過激な倒幕の町人志士の話など、
あまり有名ではないまま、歴史の中に埋もれている人々の中にも、
幕末への重要な歴史の流れを作った人々がいたことに改めて気が付かされた。
 また『理心流異聞』『壬生狂言の夜』などの沖田総司や新撰組などの
あまり描かれていない題材を扱った作品なども面白かった。


アームストロング砲

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2005.10.15 (Sat)

『マーシーの夏』

[著者]ドロシー・ギルマン
[訳者]柳沢由実子
[出版社]集英社 集英社文庫
[初版発行]2005年2月25日

[感想等]
 フィラデルフィアの高校を卒業したばかりの少女・マーシーは
夏休みが終わったら何か仕事に就く予定だが、あまり乗り気ではなく、
仕事も決まっていず、最後の自由な夏を楽しみたいと思っていた。
 そして、亡くなったかつての下宿人の残した手作りの人形で
イラストレーターの卵・マーシーや陶芸家・サッシャ、
プロレスラー・オッジーというユニークな下宿人たちや
新しく下宿に入った美しいモデル女性・フォリーを加えたメンバーと
人形劇の公演をやることになり、それを仕事にしていくことになる。

 マーシー以外の登場人物も実は色々な人生の問題を持っていて、
マーシーとの人形劇へのチャレンジによって、それぞれが変っていき、
違う人生へ乗り出していくようになる点が非常に良かったと思う。
 金銭面での打算的な結婚を目指していたモデル・フォリーが、
愛情をもとにしたサッシャとの結婚へと考えを変えていくところや、
イラストレーターとしてはあまり才能を発揮できない青年・マーシーが
人形劇の演出などに対しては高い評価を受けることが出来るなどの点が、
行く先の決まらなかったマーシーが進む道を見つけること以上に、
気持ちの良い展開になっていて、ほっとする読後感の作品であった。


マーシーの夏

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2005.10.10 (Mon)

『ヘンリーの身に起こったこと』

[著者]シャロン・パイウェル
[訳者]匝嵯玲子(そうされいこ)
[出版社]早川書房
[初版発行]2005年9月30日

[感想等]
 この作品は1960年代から始まる、アメリカ・ニューヨーク州に住む、
ヘンリー・クーパー少年と妹・ローレン、弟・ウィンストンを中心とした
子供達の成長や家族の出来事が語られるストーリーであるのだが、
クリスマスに起こった感電事故によって、ヘンリー少年の頭の中には
第二次大戦後に亡くなった広島の被爆男性・アサガオが住みついてしまう、
という設定によって、とても不思議な物語に仕上がっている。

 しかし、ヘンリーでなく妹・ローレンを中心に描かれている部分が多く、
ローレンの結婚や職場での出来事などは面白いものの、
ヘンリーの葛藤などが直接的に伝わってこない点が気になったし、
アサガオの存在を知る者ではあるが修道女・レナーダのエピソードが
長々と描かれていたりなど、少々詰め込みすぎな感じがした。
 また、ヘンリーの頭の中のアサガオが回想している風な文章が、
物語に時々、挿まれているのが面白くはあるのだが、
物話の流れを中断してしまっているように感じられたり、
日本人の名前や習慣などの点で奇妙に感じる点があるのが残念である。

 さらにいえば、原爆の被害者の日本人の意識を知ったアメリカ人が
お盆などの日本の年中行事にこだわるだけのように思えた点なども、
少々物足りないように感じられた。


ヘンリーの身に起こったこと

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2005.10.08 (Sat)

『六月六日生まれの天使』

[著者]愛川晶
[出版社]文藝春秋 本格ミステリ・マスターズ
[初版発行]2005年5月30日

[感想等]
 目覚めた「わたし」は「彼」と一緒にベットに居た。
が、自分に関して、彼に関しての記憶が無くなっていた。
 彼の態度に奇妙なものを感じながら、彼から彼の名前「関谷冬樹」や
自分の名前「辻好江」を聞き出したものの、自分の名に違和感を持つ。
 また、浴室で殺人死体を見たような記憶が付きまとうし、
12月なのに、部屋の中は夏のように装おうとした痕跡があり、
何かの企みに自分は荷担しているらしいことを知る。
 彼には「前向性健忘」という15分位しか記憶を保てない障害があり、
自分が「解離障害」という心因性の健忘症だと判り、
失われた記憶の謎の企みや殺人事件に関して、
彼との関係や自分の正体について次第に思い出していくことになる。

 「前向性健忘」の知識が無かったせいで冬樹の態度が不気味に思えたし、
暴力団や風俗業の絡んだ話で、怪しげなストーリーになっている。
 また、「わたし」が記憶を失ってしまっている点や、
「わたし」の遭遇している出来事が順番に記述されていないし、
時々はさまれる冬樹の記憶の回想録で展開が混乱しているせいで、
話の辻妻が合わない点等を読み逃してしまい、
なかなか「わたし」や「辻好江」の正体や、真相が見えてこなくて、
最後まで読み応えがあった。
 ただし、最後のエピローグは私にはあまり後味が良くなかった。


六月六日生まれの天使

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2005.10.02 (Sun)

『ドクターM殺人事件』

[著者]吉村達也
[出版社]実業之日本社 ジョイ・ノベルス
[初版発行]2005年4月25日

[感想等]
 5人のMのイニシャルを持つ男達が、総理の名で送られてきた
招待状に北アルプスにある旧伯爵の別邸「奇巖城」へ集まる。
 猛吹雪の為に脱出も外部との連絡も取れない状況で、
「ドクターM殺人事件」の開幕と、犯人が2人居ることを告げられ、
パニック状態の中、本当に殺人が起こってしまう。

 よくある雪の山荘という閉鎖空間での殺人事件なのだが、
犯人が2人と宣言されていることが、この話の面白みである。
 「ドクターM殺人事件」という小説のストーリーを
考え出した編集者が事件の起こった山荘の外に居て、
彼が黒幕などではなく、実際の殺人事件の発生を恐れて、
犯人を推測しながら山荘へ向かう様子も記述されていくのだが、
それが間に合い阻止できるかという点などにも関心が持てて、
読めたのも良いと思った。

 ただ、殺人の動機が過去の出来事によるものなのだが、
途中の段階ではその恨みの元となった事件は判らないし、
殺される人達が自分が恨まれていることも判らない状況なので、
理不尽な殺人ゲームを行う異常な犯人というイメージを抱いてしまい、
犯人には犯行へ至るに充分な理由があるのが判るまで、
犯人に同情し難かった点などが、ちょっと残念に思う。


ドクターM殺人事件

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