04月≪ 2006年05月 ≫06月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031
--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑
2006.05.31 (Wed)

『鉤爪の収穫』

[著者]エリック・ガルシア
[訳者]酒井昭伸
[出版社]ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス
[初版発行]2005年8月20日

[感想等]
 ハードボイルド恐竜探偵ヴィンセント・ルビオのシリーズの第3弾。
 恐竜マフィアのボス・タラリコからの依頼で、ある男を追って
マイアミに行ったヴィンセントは子供時代の親友・ジャックと再会する。
 ジャックはタラリコと対立するマフィアのボスになっていた。
 タラリコの依頼と旧友との間に板ばさみになりながら、
ヴィンセントはマフィアの抗争に巻き込まれることになる。
 
 この作品は第1作目『さらば、愛しき鉤爪』の後で、
ヴィンセントは借金を背負いながら、ハーブ中毒治療中で、
やむなくマフィアの仕事を引き受けることになるという
設定が上手く出来ていたし、ヴィンセントの子供時代や
ジャックだけでなく元恋人のジャックの妹ノリーンなどの
新登場人物やエピソードが興味深く楽しめた。
 また、前にも登場していたニューヨークの女探偵・グレンダの
意外な真実などが判り、今までのシリーズ同様、
ヴィンセントのドタバタ騒ぎを楽しめる作品になっている。


鉤爪の収穫


<My Blog関連記事>『鉤爪プレイバック』

スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  22:10 |  まあ面白いと思った本(☆3つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.28 (Sun)

『瑠璃の契り 旗師・冬狐堂』

[著者]北森鴻
[出版社]文藝春秋
[初版発行]2005年1月15日

[感想等]
 骨董業界を店舗を持たない旗師(はたし)として生きる
「冬狐堂(とうこどう)」こと宇佐見陶子(うさみとうこ)を
主人公とした古美術ミステリー集。
 『倣雛心中(ならいびなしんじゅう)』『苦い狐』
『瑠璃の契り』『黒髪のクピト』の4篇を収録している。

 前作『緋友禅 旗師・冬狐堂』同様に骨董業界の駆け引きや
その裏側を楽しめるだけでなく、
この作品集では陶子の過去を明らかになる点が良く、
眼病の不安の中でも一生懸命に生きていく
陶子の強さや厳しさが感じられ、好感を抱いた。

 特に、患った陶子に付け入り騙そうとする同業者・
「富貴庵」の芦辺が持ちこんだ人形を巡り、
騙されるどころか商品の価値を高めることになるという
痛快な顛末を描いた『倣雛心中』は、
人形や製作者の秘密が明らかになる点が良かったと思う。
 また、格安で手に入れた瑠璃ガラスの切り子から、
カメラマンの親友・横尾硝子の過去を知る『瑠璃の契り』、
陶子の学生時代や元の夫との過去が絡んでくる『苦い狐』と
『黒髪のクピト』の他の作品も、ミステリとしても、
人間を描いたドラマとしても楽しめ、面白く感じた。


瑠璃の契り 旗師・冬狐堂


<My Blog関連記事>『緋友禅 旗師・冬狐堂』

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  12:07 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.27 (Sat)

『緋友禅 旗師・冬狐堂』

[著者]北森鴻
[出版社]文藝春秋
[初版発行]平成15年1月30日

[感想等]
 店舗を持たずに骨董を流通させる旗師(はたし)として生きる
「冬狐堂(とうこどう)」こと宇佐見陶子(うさみとうこ)を
主人公とした古美術ミステリー集。
 『陶鬼』『「永久笑み(とわえみ)」の少女』『緋友禅』
『奇縁円空』の4篇を収録している。

 展覧会で見た無名の作者のタペストリーに惚れ込み買い込んだ陶子が
タペストリーが届かなかったことでその作者の死を発見し、
半年後に意外な場所でそのタペストリーを発見したことで
作者の死の真相を知る、表題作『緋友禅』など、
どの作品も、骨董業界の裏側を巡る事件やその結末が面白く、
女主人公がクールにシビアな骨董業界でたくましく生きつつも、
骨董や人間に対する熱い思いを持っている点が魅力的に感じられた。


緋友禅 旗師・冬狐堂

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  14:54 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.24 (Wed)

『四日間の奇蹟』

[著者]浅倉卓弥
[出版社]宝島社 宝島社文庫
[初版発行]2004年1月29日

[感想等]
 ピアニストの道を閉ざされた青年・如月敬輔と
脳に障害を負った少女・楠本千織が訪れた山奥の診療所で
出会った女性・岩村真理子との四日間に起こった奇蹟を描く。

 第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作で、
映画化もされている感動作とのことで、
期待して読んだせいもあるのか
期待外れな作品だと感じさせられてしまった。

 作品がミステリではなくファンタジーである点に失望し、
ストーリーの何処かで読んだような展開や設定にがっかりしたし、
クラシックの名曲を用いた表現も陳腐としか思えなかった。
 奇蹟そのものが解明されない点は仕方ないにしても、
人の死や挫折を扱った作品としても
単に綺麗事しか描いていない気がしたし、
その奇跡もその影響もしょせん絵空事としか感じられなかったし、
それ程、感動する作品なのだろうかと疑問に思った。

 というのは、私にはストーリーの冒頭からずっと続く、
脳に障害を持つ少女をピアノが上手な子供としか扱っていない様な
主人公の保護者的に感じられる態度が許せなかったし、
その主人公が辛い過去を持っていて、一番、彼女を理解している
として描いてあるのが信じられなかった。
 ただ安直に、障害や心に傷を持つ人間を登場させ、
奇跡的な出来事や人の死を扱って、
感動を誘っただけの作品なのではないかとまで感じてしまい、
素直に感動できない部分が幾つもあることが気になった。

 例えば、些細な点だが、子供が出来ないからという理由で
離婚させられてしまったという真理子の過去のエピソードを
それでも元夫や家族達は善良な人々だと本人に語らせたり、
真理子が危篤と聞いて元夫を呼ぶ医師の配慮の無さ、
元夫が現在の妻子を連れてくる無神経さを描くのには呆れた。
 真理子が元夫の子供を見て怒りや悲しみを感じるのでなく、
楽しそうにしている場面に至っては、
そういう場面を描くことに腹が立って仕方なかったし、
それをまた当たり前のように見ている主人公にはガッカリした。
 そういう無神経な人々に対しての怒りや反発も無いような、
綺麗事のような物語に、癒しとか評して感動することが、
私には出来なかったのだ。


四日間の奇蹟

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  22:48 |  いまひとつだと思った本(☆2つ)  | TB(0)  | CM(3) | Top↑
2006.05.21 (Sun)

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(上・下)

[著者]J. K. ローリング
[訳者]松岡佑子
[出版社]静山社
[初版発行]2006年5月17日

[感想等]
 ハリー・ポッターシリーズの第6巻。
 16歳になったハリー・ポッターは闇祓いになるのを目標とし、
N.E.S.Tレベルの勉強に取り組む。
 『魔法薬学』の授業では手に入れた古い教科書にあった
「謎のプリンス」が書き込んだ様々な調薬法や呪文に助けられる。
 果たして、その「謎のプリンス」とはいったい誰なのか?
 そして、宿敵ウォルデモートを滅ぼすことを決意したハリーに、
ダンブルドア校長は個人教授を始めるのだった。

 この巻も悲しく辛い別れがハリーを待っていて、
彼の運命の過酷さに今まで以上に心が痛む展開だった。
 しかし、ハリーやロン、ハーマイオニーの恋も複雑になり、
6年生としての学園生活や難しくなっていく授業の様子、
「生き残った男の子」から「選ばれし者」へと呼び名も変わり、
様々な出来事を乗り越えて成長していくハリーの姿など、
この巻も充分に読み応えある作品になっている。
 
 また、初めて登場する「謎のプリンス」の正体や、
ウォルデモートの生い立ちがようやく判ってきて、
いままで謎だったことが明らかになってみると、
今までの巻の様々な出来事が巧みな伏線だったのに気付き、
作者のストーリー構成の凄さ・上手さを改めて感じた。

 何よりも、ラストのハリーには逞しさと強さが感じられ、
これからのウォルデモートとの戦いの結末は、
悲しみでなく喜びで終わるのではないかとの期待を抱けたし、
新しく提示された謎の人物「R.A.B」の正体や、
様々な謎がまだ残っているし、次の巻がまた待ち遠しくなった。


ハリー・ポッターと謎のプリンス

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  11:36 |  とても気に入った本(☆5つ)  | TB(0)  | CM(1) | Top↑
2006.05.21 (Sun)

『乱歩賞作家 白の謎』 (BlogPet) (BlogPet)

いつも、bookrackは
もちろん、当初は、有益な臨死体験が得られずにイライラするジョアンナの気持ちに合わせているのか、なかなかアケビが進まない。
とか思ってるよ。

*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「星影丸」が書きました。
EDIT  |  09:35 |  星影丸の投稿  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.20 (Sat)

『仁木悦子 名探偵コレクション①線の巻―吉村記者の全事件』

[著者]仁木悦子
[出版社]出版芸術社
[初版発行]平成18年3月25日

[感想等]
 新聞記者・吉村駿作が謎解きに挑む作品集で、
ラジオの配線図をめぐる長編『殺人配線図』、
タイプライターを小道具にした『死の花の咲く家』、
認知されていない子供の調査の『幼い実』、
身代金誘拐事件を描いた『乳色の朝』、
正月のアパートでの殺人事件を扱った『みずほ荘殺人事件』
の全5篇を収録している。
 
 『殺人配線図』はラジオの配線図を使った犯罪を扱ったもので、
昭和35年発表ということで、古臭く感じられる設定もあるものの、
なかなか面白いトリックで楽しめた。
 また、吉村記者初登場作の『みずほ荘殺人事件』は昭和35年の
雑誌『宝石』に犯人当て懸賞付き小説として発表されたものだそうで、
雑誌掲載時の『宝石』編集長・江戸川乱歩のコメントや、
評論家・平野謙と著者との作品に関する論争も収録されていて、
その当時の雰囲気を味わうことが出来るのも面白かったし、
単なる痴情による女性が殺されただけかと思われる事件に
遺産や偽札など様々な要素が絡んで、犯人を判り難くした、
凝った構成がなかなか良く出来ていると思われた。



仁木悦子 名探偵コレクション①線の巻―吉村記者の全事件


テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  13:45 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.17 (Wed)

『フェティッシュ』

[著者]西澤保彦
[出版社]集英社
[初版発行]2005年10月30日

[感想等]
 フェティッシュ(fetish)とは「盲目的崇拝物、
迷信の対象、崇物愛の対象物」などの意味を持ち、
この作品では、謎めいた美少年・クルミが崇物愛の対象で、
美少年・クルミを1日だけ独占できる秘密の「透明人間クラブ」
を作り女性を誘いこむ女学生・イチョウ、アケビ、ヒイラギ達、
現実から逃避するかのようにクラブに誘い込まれる女性達、
葬式で女性の足を写真撮影する趣味を持つ老人・直井良弘、
クルミが原因で連続少年殺人を犯してしまう志自岐幸夫、
密かに女装を楽しむ趣味のある刑事・長嶺尚輝などといった、
クルミに魅せられてしまう登場人物達の姿と、
発生する女性連続殺人などの事件が描かれている。
  
 事件や、謎の美少年の正体や女学生達との関わり、
刑事が美少年にたどり着く過程、被害者達の孤独な過去などが、
「異物」「献身」「聖餐」「殉教」といったタイトルで
断片的に幾つかに分けられた形で、飛び飛びに現れ、
真相が明らかになっていく形式なのだが、
意外に読み易く、判りやすい作品である。
 また、クルミの不可解な神秘的な雰囲気と、
クルミに関わった被害者の女性の過去や
刑事・老人の趣味の話、志自岐の狂乱などが、
なかなか面白く設定されていると思った。

 しかし、被害者が「透明人間クラブ」に関わっていたことが
途中で判ってしまうので、興味を少々殺がれてしまった。
 そして、イチョウ達の行動に共感や納得できる点が無く、
被害者達の境遇が哀しく、その殺され方が酷だし、
美少年・クルミに対する救いも感じられず、
あまり良い読後感は得られない作品なのが残念である。


フェティッシュ

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  18:42 |  まあ面白いと思った本(☆3つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.14 (Sun)

『婉という女・正妻』

[著者]大原富枝
[出版社]講談社 講談社文芸文庫
[初版発行]2005年4月10日

[感想等]
 江戸時代の土佐藩において、父・野中兼山(良継)の失脚で、
4歳にして一族と幽囚の身となり、40年後、男子係累の死で
突然赦免・自由になった女性の人生を描く『婉という女』に、
関連作『正妻』『日陰の姉妹』の2篇を付した歴史小説集。

 時代は前後し、それぞれ違う女性を主人公にしているが、
関連ある出来事を扱った作品がまとめられているので、
比較することで、各々の作品だけでは感じられなかったことや
見えなかったようなものが判った気がして、興味深かった。

 『婉という女』の婉と『日陰の姉妹』の異母姉妹・寛と将とでは、
長い幽閉の後に釈放されたという同じ境遇だったのに、
学問好きで男勝りで批判的な婉が釈放後、
密かに思いを寄せた儒者・谷丹三郎が父と同じように
政争の為に陥れられていくのを憂い苦しみながらも、
結婚もせずに医者として独立して生きていくことになり、
寛と将は再婚の夫に嫁がされ、夫に気兼ねしながら暮らし、
子を宿し驚いたりと女性としての苦労を味わうことになるという、
その後の人生の大きな差に驚きを覚えた。
 また、野中兼山の正妻・お市が主人公の『正妻』では、
父の勲功のため幽閉されることの無かったお市を描き、
直接には婉は登場しないものの、婉の父・兼山の生き方に、
婉の物語の背景を描いているようで興味深かった。
 特に、お市は疎まれた正妻で不幸だったと思っていたが、
実は兼山と理解し合えていて、それ程不幸ではなかったと
思わせられたのが驚きだった。


婉という女・正妻

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  16:44 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(1)  | CM(0) | Top↑
2006.05.14 (Sun)

『乱歩賞作家 白の謎』 (BlogPet)

それぞれ面白く読み応えのある作品だったが、特に、警察官の麻薬捜査などの描写が興味深くて横浜地検の三男坊・
波之助が主人公を関連しなかった
釣り好きの「検察捜査・」
特別篇
(鳥羽亮・)
中嶋博行・
福井晴敏・
首藤瓜於
による中編ミステリ集
収録作品は「放蕩息子の亀鑑」
なども、それぞれはbookrackたちが、特に、警察官の麻薬中毒による事件から意外な真相を暴く「死霊の手」
、偽造死亡診断書を書いた病院長・
波之助が釣り船で見つけたよ
(著者)鳥羽亮他(出版社)講談社(初版発行)2004年前の事件で見つけた心中の片割れらしい女の土左衛門の死の出会いと事件から意外な真相を暴く「死霊の手」
、偽造死亡診断書をしつつタクシーの運転手をしつつタクシーの運転手をしている須賀の関わった10日(感想等)講談社(初版発行)20日(感想等)乱歩賞作家4人(鳥羽亮・
と、bookrackが考えてるみたい♪


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「星影丸」が書きました。
EDIT  |  09:30 |  星影丸の投稿  | TB(0)  | CM(1) | Top↑
2006.05.13 (Sat)

『暁の密使』

[著者]北森鴻
[出版社]小学館
[初版発行]2006年1月1日

[感想等]
 明治時代、東本願寺派僧侶・能海寛(のうみゆたか)は
仏教の原典「チベット大蔵経」を求めて
鎖国下の西蔵(チベット)の聖地・拉薩(ラッサ)を目指していた。
 彼が日本人として初めてチベットの地を踏んだという事実や
その裏を発掘する歴史ミステリー。

 チベット潜入に関しては、私は歴史上有名な
河口慧海(かわぐちえかい)の名前位しか知らなかったが、
能海寛は日本人として初めてチベットを訪れていたのは事実らしい。
 ただし、この作品は単に埋もれていた能海寛のチベット潜入行の様子を
明らかにするだけでない。
 ネタばれになってしまうのだが、河口慧海と能海寛の2つの潜入が
関わりがあり、実は明治政府の欧米列強へ対抗する陰謀だったと
推理している点が凄いと思った。

 また、潜入行の様子や推理の面白さを描いているだけではない。
 能海や彼と中国で出会った実在の人物達だけでなく、
おそらくは架空の人物達の日本人工作員・成田安輝(なりたやすてる)や、
清国人・揚用(ヤンヨン)や不思議な山の民の明蘭(ミンラン)と
義烏(イーウー)などの人物造型が面白いし、
彼らの協力的・策謀的な行動や様々な思惑が描写されていることで、
能海の純粋さや人柄の良さなどを際立たせている感じがしたし、
歴史の闇に埋もれてしまった結末が悲劇的に思える作品である。
 何よりも、能海が政治的な陰謀に巻きこまれてしまう
日清・日露戦争の時代の雰囲気が感じられ、不自然や絵空事ではなく、
実際にそういう裏があったのかもしれないと納得出来る点が良いと思った。


暁の密使

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  11:39 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.10 (Wed)

『レタス・フライ』

[著者]森博嗣
[出版社]講談社 講談社ノベルス
[初版発行]2006年1月11日

[感想等]
 西之園萌絵が白刀島の診療所の怪しい噂に迫る『刀之津診療所の怪』、
「僕」が長期海外出張先の某国で遭遇した事件を描く『ラジオの似合う夜』
など、ショート・ショート5編を含む9編が収録された短編集。

 『ラジオの似合う夜』は美術館での不可解な事件だけでなく、
その国の伝説的な列車乗っ取り事件の謎などを解いたり、
異国の閉鎖的な雰囲気などがまあまあ面白かった。
 が、ショート・ショートはそれ程、驚きも無く、
淡々とした感じで、少々期待外れだった。
 何よりも、ラストの『刀之津診療所の怪』は他の西之園萌絵登場作を
読んでいないと、良く判らないオチになっているらしく、
著者のファンの人々などには楽しめるのだろうが、
私には謎が残ってしまう形になってしまい、がっかりした。


レタス・フライ

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  22:25 |  いまひとつだと思った本(☆2つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.07 (Sun)

『航路』(上・下)

[著者]コニー・ウィリス
[訳者]大森望 
[出版社]ソニー・マガジンズ
[初版発行]2002年10月10日

[感想等]
 認知心理学者のジョアンナ・ランダーは
コロラド州デンヴァーのマーシー総合病院で、
朝はER、午後は小児科で臨死体験(NDE)の科学的検証のため、
聞き取り調査を試みているものの、
死後の世界を肯定する臨死体験本作家の
モーリス・マンドレイクの次作のための聞き取り取材に邪魔され、
思うような成果が得られずにイライラしていた。
 そこへ、神経内科医のリチャード・ライトから、
ジテタミンという神経刺激薬による擬似的な臨死体験の
実験への助言・協力を求められる。
ジョアンナはその申し出を受け、
臨死体験をシュミレートする実験に参加するものの、
ボランティアの被験者達が次々と不適格などの理由で居なくなり、
彼女自身が被験者になり、擬似臨死体験をすることになる。
 そしてジョアンナが見たのは彼女の記憶の中にある、
意外な場所であり、それが何故か彼女は考え始めるのだが・・・。

 第3部までもある、400ページ以上の上下本なのだが、
臨死体験の謎とジョアンナが見たものは何なのかという興味で、
あっという間に最後まで読み切ってしまった。

 臨死体験の謎を架空のジテタミンという薬の擬似臨死体験で
追及しようとする設定も良かったし、
ジョアンナの臨死体験がジョアンナが以前の聞き取り調査で
聞かされた事柄を含んでいるという点、
痴呆状態になった高校時代の恩師などの
彼女の過去の人々を追いかけることになり、
ある意味では過去を追体験しているのかもしれない点、
ジョアンナが知った真実をリチャードに告げることが出来ない点、
なども、とても良く出来ている設定だし、
作品に表現されている臨死体験に対する著者の見解も
死後の世界の存在を肯定していないが、非常にユニークだと思えた。 

 また、臨死体験の謎を追求していくだけでなく、
過去と現在のジョアンナの周囲の人々を巻き込み、
それらの人々の人物の設定が魅力的で良く出来ているし、
様々な人生ドラマが繰り広げられる点が面白く感じられ、
感動的で心に残る作品になっている。
 主役のジョアンナはもちろんだが、その他の登場人物達、
ハンサムだが女心に疎く研究熱心なリチャード、
災害オタクの心臓病の少女メイジー、
ジョアンナの親友で気丈で世話好きなERの看護婦・ヴィエル、
痴呆症になったジョアンナの高校時代の英語教師ブライアリー、
叔父・ブライアリーを世話する悲しい過去を持つ女性キット、
などの人生もジョアンナの臨死体験で変化していくように
感じられる点が良く出来ていると思った。

 もちろん、当初は、有益な臨死体験が得られずにイライラする
ジョアンナの気持ちに合わせているのか、なかなか話が進まない。
 しかし、それも、ユニークな人物が多数登場していることと、
迷路のような病院の中を天敵のマンドレイクから逃げまわるジョアンナの
様子がユーモラスで楽しめて、あまり苦にならなかったし、
後になってみれば、色々重要な伏線が貼られていたことが
判るので、良く出来た仕掛けだと思えた。

 なお、ネタばれになってしまうが・・・。
この作品ではタイタニック号の悲劇が重要な要素になっているので、
アカデミー賞を取った映画「タイタニック」は観たことがある方が楽しめる。
 さらに言えば、映画の内容以上にタイタニック号の知識があって、
映画が不満だと思った、ジョアンナに共感できるような読者の方が
うなずける部分が多いかもしれないし、もっと楽しめると思う。
 また、その他にも、映画「フラットライナーズ」に言及したりもするし、
近年のハリウッド映画や俳優などを知っている方がニヤリと出来たり、
理解できる記述もある。
 ちなみに、私は以上の条件に当てはまっているので、この作品を楽しめ、
高く評価してしまっているのかもしれないということをお断りしておく。


航路(上)航路(下)

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  10:21 |  とても気に入った本(☆5つ)  | TB(0)  | CM(1) | Top↑
2006.05.07 (Sun)

『文芸ミステリー傑作選 ペン先の殺意』 (BlogPet)

11月は、遠藤周作、五木寛之、井上ひさしとか書いているのを
ネットで面白くノ
ンや面白くノ
ンや面白く編者ミステリー文学資料館などを収録し、意外な人がして心に残ったしたかったし
以前星影丸は、ネットで面白くノ
ンや面白く編者と、興味深く画家を往復書簡という形で描いていて、作者の想像も混じっている点が面白く感じを留守に起こった?
と、星影丸が考えたの。


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「星影丸」が書きました。
EDIT  |  09:32 |  星影丸の投稿  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.06 (Sat)

『心のなかの冷たい何か』

[著者]若竹七海
[出版社]東京創元社 創元推理文庫
[初版発行]2005年12月22日

[感想等]
 失業中のわたし・若竹七海が箱根への旅先で知り合った一ノ瀬妙子。
 不意に電話をよこしてクリスマス・イヴの約束を取りつけた彼女が、
間もなく自殺を図り、植物状態になっていることを知る。
 いきなり、若竹七海の元へ送られてきた彼女の『手記』は、
友人の自殺の真相を探る妙子の行動を綴ったものと、
幼い頃から殺人を繰り返してきた謎の男の回想が混ざっているという
不可解なものだった。
 それを何故、あまり良く知らない自分に妙子が託したのか、
またそのストーリーは真実なのか、何より何故、妙子は自殺したのか、
自殺ではなく、殺されようとしたのではないのかという謎を解くため、
若竹七海は調べ始める。

 第1部は七海と妙子の出会いのいきさつと妙子の残した手記で、
第2部は七海の探求という構成なのだが、
手記には妙子が一人称で友人の謎の自殺を調査していたことを綴られ、
第2部の妙子の話の真相を探る七海の行動が二番煎じ風で、
少々興味を殺がれてしまったようになってしまった感がある。
 また、第1部で男の正体を妙子が突き止めてしまっている点も
残念に思えた。

 が、妙子という女性には不思議な魅力があり、その真実の姿が
妙子が周囲に起きた出来事を虚構として描いた中から見えてくる点は
手記の男の不気味な心理状態や妙子の手記以上に面白く感じられた。
 何よりも、真実を傷つきながらも追求していこうとする七海が凛々しく、
彼女を取り巻く古くからの友人との交流の様子は暖かで、
妙子が良くも知らないのに手記を託したことが納得できる程、
人間的に描かれている点が、手記の男の非人間的な行動と比べ、
ホッと出来る点がとても良かった。


心のなかの冷たい何か

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  10:46 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.05 (Fri)

『沙高樓綺譚』

[著者]浅田次郎
[出版社徳間書店 徳間文庫
[初版発行]2005年11月15日

[感想等]
 青山墓地のそばの高層マンションの一室「沙高樓」では
女装の主人の元、各界の名士たちが集って秘密を語っている。
 旧知の刀剣鑑定家の三十四世・徳阿弥こと小日向君に誘われて、
その集まりで主人公の私が様々な話を聞くという形式で、
「小鍛冶(こかじ)」「糸電話」
「立花新兵衛只今罷越候(たちばなしんべえただいままかりこしそうろう)」
「百年の庭」「雨の夜の刺客」の5つの話が収録されている。

 どの話も話し手が今まで秘密にしていた話が披露されるという設定なのが
そのことが話への興味をそそり、また、その期待を裏切らないような
良く出来た話ばかりで楽しめた。
 中でも、主人公が「沙高樓」の集まりを知ることになる「小鍛冶」は
刀剣の鑑定など薀蓄めいた説明が多いのだが、意外に面白く感じられたし、「立花新兵衛只今罷越候」は映画界の巨匠のエポック・メイキングな
新撰組の映画の撮影をしたキャメラマンの回想話という設定で、
昔の映画撮影現場の様子や映画に関わる人々の雰囲気なども楽しめて
映画好きには特に楽しめる作品だと思われたし、気に入った。


沙高樓綺譚

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  10:17 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2006.05.03 (Wed)

『天に還る舟』

[著者]島田荘司・小島 正樹
[出版社]南雲堂 SSKノベルズ
[初版発行]2005年7月1日

[感想等]
 昭和58年12月。
休暇で妻と埼玉県秩父市の妻の実家を訪れていた
警視庁捜査一課刑事・中村は、地元警察が自殺と判断していた
元・町会議員・藤堂の死を不審に思う。
 続けて発見された焼死死体・陣内が藤堂の戦友慰霊会に所属し、
藤堂の死との関連や2人とも他殺ではないかと思われた矢先、
また同じ慰霊会の会員が不審死を遂げる。

 秩父鉄道の鉄橋を使った殺人方法をはじめ、
死体を焼く時限的な仕組みや義足によるアリバイ工作などの
数々のトリックは面白かった。
 が、秩父の民話や漢詩などを暗示した殺人や復讐というのは、
今更という感じがしないでもなかったし、
何より、死体と殺害方法、戦争中の非道な行為の描写が生々しく、
あまり気持ちが良くなかったのが残念である。
 また、戦争中の事件が彼らの死に関わっていることや、
その残虐な殺人方法から非道な事件の復讐であることが
早々とわかってしまう点も後への興味を殺ぐし、
警視庁の刑事が、休暇中に地元署の捜査に介入する点も
ちょっと気になった。


天に還る舟

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  09:24 |  まあ面白いと思った本(☆3つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。