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2007.03.31 (Sat)

『氷葬』

[著者]諸田玲子
[出版社]文芸春秋 文春文庫
[初版発行]2004年1月10日

[感想等]
 夫の不在中、夫の知己を名乗る男・守谷に辱められ、
彼を殺してしまった下級藩士の妻・芙佐(ふさ)。
 死体を沼に密かに沈め、沼が氷結していくことに、
悪夢を忘れようとしたが・・・。

 江戸時代を舞台にした殺人事件を描き、
死体の発見により、殺人だけでなく、
陵辱されたことが判ってしまうことへの恐怖を味わう、
女性の苦悩やとその発覚を綴ったミステリ風な小説だと思って
読み始めたところ、話が意外な方向へ行ってしまい、驚いた。

 少々、ネタばれになってしまうかもしれないが、
平凡な武家の女性・芙佐が、罪が発覚し、子供を人質にされて、
沼に沈めて失ってしまった守谷の密書の写しを探すため、
謎の男・十右衛門(じゅうえもん)と旅に出る羽目になり、
江戸時代中期の反幕府の陰謀「明和事件」に関わってしまい、
活躍することになるというのは、荒唐無稽に思える。

 が、子供の頃から好奇心が強く、女性としての制約に
疑問を抱いていた江戸時代の女性が、子供を救うために、
歴史的な事件の裏側で活躍する波乱万丈のフィクションである、
と納得できれば、なかなか楽しめる作品になっている。


氷葬

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EDIT  |  14:48 |  まあ面白いと思った本(☆3つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.03.28 (Wed)

『移り香の秘密 塙保己一推理帖』

[著者]中津文彦
[出版社]光文社 
[初版発行]2006年3月25日

[感想等]
 江戸時代の「群書類従(ぐんしょるいじゅう)」の編纂で有名な
塙保己一(はなわほきいち)が探偵役となって、
周囲の人達に関わる事件や謎を解く連作推理時代小説集。
 『移り香の秘密』『三番富の悲劇』『枕絵の陥し穴』の3作品を収録。

 この作品集は、『塙保己一推理帖 観音参りの女』に続く第2弾であるが、
前作を読まなくても充分に楽しむことが出来るだろう。
 盲人である保己一の持つ、研ぎ澄まされた感覚と群を抜く記憶力が、
戯作者・大田南畝(おおたなんぽ)の情報収集などの助けを得て、
思いがけない出来事の真相を暴いていくという設定が、面白い。
 また、「群書類従」の編纂者として位しかなじみの無い保己一だが、
南町奉行根岸肥前守と知り合いだったという設定も良く出来ているが、
実際の彼の盲人としての苦労や妻や子といった家族関係だけでなく、
周囲の「群書類従」の編纂に携わる人々なども描かれていて、
伝記的な部分もなかなか興味深い作品集である。

 表題作『移り香の秘密』は、盲人特有の香りに対する敏感な感覚が、
意外な人間関係を暴き、冤罪の犯人の無罪を証明する話で、
相撲、深川芸者などの江戸時代の世相なども描かれている点が、
一番面白く感じられた。

 また『三番富の悲劇』は次男の病死、『枕絵の陥し穴』は娘の縁談など
保己一の2人の妻、子供達などの家族関係が描かれている点が興味深かった。

 
移り香の秘密 塙保己一推理帖


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EDIT  |  22:53 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.03.25 (Sun)

『不発弾』

[著者]乃南アサ
[出版社]講談社 講談社文庫
[初版発行]2002年1月15日

[感想等]
 デパート勤務の男・的場は左遷された売り場での地味な仕事に
耐える日々を送っていたが、家庭では妻が、息子や娘の問題や
秘密を隠し、自分が疎外されていることに気付き、
ついに、キレていまい・・・という表題作『不発弾』など、
現代の世間の様々な問題・事件を描くミステリー系小説など
6作品を収録した短編集。

 表題作は、父親不在の家庭の隠された事実を描いた作品で、
その現実に気付いた父親・的場が哀れであるのだが、
妙に可笑しくもあり、実際にありそうな怖さも感じる作品で、
興味深く感じた。
 
 その他の作品では、駅前の老夫婦の営む小さな居酒屋
「みの吉」を舞台にした市井小説風な『かくし味』の、
店の人気メニュー「煮込み」を巡る事実がラストに判る点が、
良く出来ていて、面白かった。


不発弾

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2007.03.25 (Sun)

とか思ってるよ(BlogPet)

ほんとうは、bookrackは

もしかして、それまでのつかの間の出会いの『は、
最終話のためだったのかもしれないとも感じられた。
とか思ってるよ。

*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「星影丸」が書きました。
EDIT  |  12:38 |  星影丸の投稿  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.03.24 (Sat)

『親不孝通りラプソディー』

[著者]北森鴻
[出版社]実業之日本社
[初版発行]2006年10月25日

[感想等]
 1985年の博多で、鴨志田鉄樹(俺、通称テッキ)と
根岸球太(オレ、通称キュータ)の高校生コンビが、
地元信金の1億2千万円の裏金を奪う計画を立てる。
 キュータの友人が、警察の射撃訓練場で拾った弾丸を
わざと現場に残し、捜査を撹乱させるという凝った計画だったが、
その計画の無謀さにテッキが断ったので、キュータは
山沢組の下っ端の鈴木恭二(通称キョウジ)と強盗を決行し、
1億2千万円を手に入れることに成功する。
 しかし、山沢組がその金を狙い、弾丸を巡る裏事情のある警察、
朝鮮半島の脱北者グループまで巻き込んだ事件に発展してしまい、
博多の町は大騒ぎになり、キュータとキョウジだけではなく、
テッキまで危険に巻き込まれてしまう。
 
 大人になったキュータの回想から始まるプロローグと、
タイトルから青春ドラマ的な甘さもある物語を想像していたら、
色恋が絡んだり、金銭上の大きなトラブルを抱えたために、
銀行強盗をする高校生達のかなり危ない物語になって、相当驚いた。

 しかし、九州弁が使われる会話や、ドタバタな彼らの行動などに、
かなりブラックな感じもするが、ユーモアも感じられたし、
複雑な人間関係や謎、裏切りや協力に様々なドラマがある作品で、
主人公たちの利己的な性格や行動の馬鹿さ加減が、妙に可笑しく、
何よりも、先の見えないハラハラする展開が良く出来ていて、
なかなか読み応えがあり、一気に読んでしまった。
 
 でもやはり、実際にはこんな高校生たちは居て欲しくないし、
こんな事件はあって欲しくないとつくづく思ってしまった。


親不孝通りラプソディー

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2007.03.21 (Wed)

『幽霊船が消えるまで 天才・龍之介がゆく!』

[著者]柄刀一
[出版社]祥伝社 ノン・ノベル
[初版発行]平成14年2月20日

[感想等]
 後見人を探す旅に出た天地龍之介は知能指数190、
生活能力ゼロの名探偵。彼と従兄弟・光章が旅の途中、
乗り込んだ貨物船には怪談が広まっていた。
 光章が奇怪な幽霊船に遭遇し、失神した夜、
船内はエメラルドネックレスの盗難事件が発生していた。
 そして、現場に残された指紋が龍之介のものだった?!

 この作品は龍之介シリーズの2作目に当たるそうだが、
1作目は読んでいない私も、まだシリーズの初めだからか、
すんなりと登場人物たちになじんでいけた。

 エメラルドネックレスの盗難事件や幽霊船事件は
肩透かしをされたように感じられる結末なのだが、
理不尽な殺意などを持つような犯人が登場しなくて、
名探偵の龍之介の、天才だが世間慣れしていない性格や、
従兄弟・光章の語り口、彼らの行動などにユーモアがあり、
ホノボノした雰囲気でストーリーが展開していくのが良かった。

 また、章ごとに繰り広げられていく後見人を探す旅での
様々な事件も、嫌な後味が残ることのない事件が多く、
科学知識なども織り交ぜた推理などもあるし、
天才という名を冠された名探偵らしさも、まずまずである。
 光章によって途中に挿入される形の日記も毒舌風だが、
従兄弟として龍之介への親しみを感じられ、感じが悪くない。

 何よりも、後見人に巡り会ってようやく明らかになる、
本人も知らなかった龍之介の意外な事実が良く出来ていて、
そのことへの光章の反応なども心地良いラストであり、
気軽に楽しめてしまう感じが良かった。
 ちょっと、シリーズの他作品も読んでみたくなった。


幽霊船が消えるまで 天才・龍之介がゆく!

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2007.03.18 (Sun)

BlogPet星影丸の新5・7・5 No.6

 今日のBlogPetの星影丸の5・7・5が
チョット気になったので、紹介します。


 No.6
20070318.jpg

『あの訳者 愛好すると 事件かな』

 星影丸は探偵気分で、
何か事件を予感しているような5・7・5です。
 訳者は何を愛好するのでしょう、やはり語学でしょうか?


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2007.03.17 (Sat)

『箱の中の天国と地獄』

[著者]矢野龍王
[出版社]講談社 講談社ノベルス
[初版発行]2006年10月5日

[感想等]
 密室と化した25階建の極秘施設から脱出することを
般若の面を被る謎の男に強制された男女6人。
 2つの箱を選んで開けなくては各階のドアは開かず、
その箱には、ヒントや道具、人が入っているものや、
開けた途端に爆発するものもあり、間違った選択は
開けた者に死をもたらす場合もある。
 そんなゲームのような脱出劇の行く末は・・・?

 施設や般若面の男の正体の謎解きよりも、
箱の選択を巡ってのハラハラドキドキ要素の強い作品で、
ゲームが好きな人間には楽しめる作品ではないだろうか。

 試行錯誤で正解を求めようとする工夫の様子や
極限の状況の中で、協力し合ったり他人を陥れたり、
運や恐怖に翻弄される姿など、良く描かれていると思う。

 が、謎の般若の仮面の男側の記述が途中に挟まる点が
追い詰められている方の視点での記述の緊迫感を殺ぐし、
箱の法則性の説明がいまひとつ判り難い気もした。
 また、ラストの般若の面の男の正体が判る、
ゲームオーバー後の話は、少々蛇足的な気がして、
あまり面白くは感じられなかったのが、残念である。


箱の中の天国と地獄

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2007.03.14 (Wed)

『酔うて候 時代小説傑作選』

[編者]澤田瞳子
[著者]澁澤龍彦 滝口康彦  童門冬二 野村胡堂 
   半村良 村上元三 山手樹一郎 山本周五郎
[出版社]徳間書店 徳間文庫
[初版発行]2006年10月15日

[感想等]
 江戸時代の酒をテーマにした時代小説傑作選。
 『瓢箪供養』(野村胡堂)など8編を収録。

 巻頭の『瓢箪供養』(野村胡堂)は銭形平次捕物控の一編で、
酒飲みの老人が瓢箪供養をして酒を断った後に、
自殺した事件を扱ったもの。隠すように残されていた
お酒の入った徳利の発見から、平次が
自殺でなく殺人ではないかと気が付く点が面白かった。

 その他の作品では『夢の居酒屋 享保の酒・豊島屋十右衛門』
(童門冬二)の、原価販売で酒を提供する酒場経営で成功した
豊島屋十右衛門夫妻が、実は庶民には不評だった享保の改革の
精神をを広めていく役目を持たせた酒場を作ろうとしていたことや、
それを密かに幕府も評価していた点などが描かれていて、
単なる商売の成功物語としてだけはない面白さを感じた。


酔うて候

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2007.03.11 (Sun)

『聖戦の獅子』(上・下)

[著者]トム・クランシー スティーヴ・ピチェニック
[訳者] 伏見威蕃
[出版社]新潮社 新潮文庫
[初版発行]平成18年9月1日

[感想等]
 ボツワナでカトリック神父がテロリストらしい兵隊達に誘拐される。
 ヴァチカンから捜査を依頼されたオプ・センターは、
国連の人質事件解決のため、許可無く治外法権国へ軍を出したことから、
予算削減、特殊部隊ストライカーの活動の停止を余儀なくされていて、
情報収集任務として、要員を送り込むことしか出来なかった。
 事件はは当初、誘拐はヴードゥ教に関わる宗教問題と推測されたが、
どうやら、ボツワナ政府転覆を図る勢力や、海外の軍事産業の協力など、
複雑な事件ではないかと思われてきて、解決の糸口が見つからないまま、
アメリカから派遣された司教が射殺されてしまう・・・。

 シリーズの一作らしく、登場人物やオプ・センターなどの仕組みや、
国際的な勢力などが良く判らない部分も多く、とまどったものの、
あまり良く知らないような、ボツワナという国の事情や、
カトリックの神父達の活動、ヴードゥ教などといった部分に
まずまず興味が持てたため、読み進めることが出来た。
 
 ストライカーという戦闘集団が武力でなく情報収集の延長で、
神父の救出を図ろうとするのは、異色であるらしい。
 でも、私は元インターポール捜査官で結婚のため辞職したばかりの
女性・マリアを中心にした救出活動が良く描かれていると思ったし、
オプ・センターの職員であるマリアの夫・ダレルの不満や心配、
オプセンター内の人間関係など、なかなか良いと思えた。
 また、日本の外務省の情報分析局長が登場する点なども
目新しい感じで、悪くないと思った。

 しかし、ネタばれになってしまうかもしれないが、
最後の幕切れの歯切れが悪く、曖昧な感じで、
次作に続くという感じで終わるのがいまひとつだと思った。
 シリーズを続けて読んでいる読者には、もしかしたら、
嬉しい終わり方なのかもしれないが・・・。


聖戦の獅子(上)聖戦の獅子(下)

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2007.03.11 (Sun)

殺人事件の犯人については(BlogPet)

昨日、bookrackが
殺人事件の犯人については、途中で察しがついたが、
女主人公・ともかの『や係累にまつわる真相に関しては、
上手く伏線が描かれていたし、何よりも、
『アラビアン・ナイト』を巡る謎が良く出来ていて、
最後までまずまず面白かった。
とか思ってたらしいの。

*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「星影丸」が書きました。
EDIT  |  12:37 |  星影丸の投稿  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.03.10 (Sat)

『ライオンハート』

[著者]恩田陸
[出版社]新潮社 新潮文庫
[初版発行]平成16年2月1日

[感想等]
 絵画をもとに展開する『エアハート嬢の到着』などの5作の連作集。
 17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、
フロリダなどなど、時と場所を変え、ほんのつかの間だけ巡り合う、
男と女・エリザベスとエドワードの恋物語。

 各章の前に絵画の挿絵があり、その絵に描かれている情景や
その絵が関わっている、つかの間しか愛を確認できない男女の
切ないほどの純愛を描いたラブストーリーなので、
美しいロマンス物語が好きな人には第1話から楽しめるだろう。

 が、私は主人公達が悲恋に自己陶酔するしたり、
やたら純愛を強調する類の話はあまり好きではない。
 だから、時代や場所という設定が変わっても、
いつもエリザベスとエドワードのつかの間の出会いで、
やっとめぐり合うべき相手に巡り合えたという思いばかりで、
会えても結ばれることが無いという刹那的、絵空事めいた、
実りのない、単なるひと時の自己満足な愛ばかりにしか思えず、
輪廻なのか、パラレルワードの話なのかもはっきりしないので、
途中で読むのを止めようかとも思ってしまった位である。
 
 しかし、最終話『記憶』にたどり着いた時、
ようやく絵空事でない、現実的な愛を感じられたし、
正直、ほっとさせられた。
 もしかして、それまでのつかの間の出会いの積み重ねは、
最終話のためだったのかもしれないとも感じられた。
 それが作者の狙いだとしたら、素晴らしい。

 ただし、ラストの1978年のロンドンを描いた
プロムナードの部分は余分な説明を加えたという感じがした。
 せっかく感動的な話の余韻を壊したように思え、残念である。


ライオンハート

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2007.03.07 (Wed)

『オワスレモノ』

[著者]加門七海
[出版社]光文社 光文社文庫
[初版発行]2006年3月20日

[感想等]
 通勤電車内の怪異を題材にした表題作『オワスレモノ』など、
現代の日常的な怪談や恐怖を描いた全8篇を収録した短編集。

 どれも実際にありそうで、あって欲しくないと思えるような、
恐怖を感じるような短編ばかりだったが、
特に表題作『オワスレモノ』は読んでからは、
電車に乗るのが少々気持ち悪く怖くなったほどで、
良く出来た現代の怪談であると思った。

 また、居もしない恋人が存在すると彼女に告げ口され、
アパートの隣人に腹を立てる男が主人公の『恋人』は、
変人風な隣人のオバサンの行動も怖かったが、
それ以外に別の怖い結末があったことと、
赤いハイヒールという明るいイメージのものに、
恐怖を感じさせる点が良く出来ていて、ぞっとした。


オワスレモノ

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2007.03.04 (Sun)

きょうは(BlogPet)

きょうは、原稿っぽい出版しなかった。


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「星影丸」が書きました。
EDIT  |  12:32 |  星影丸の投稿  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.03.04 (Sun)

『ヒストリアン』I ・II

[著者]エリザベス・コストヴァ
[訳者]高瀬素子
[出版社]日本放送出版協会
[初版発行]2006年2月25日

[感想等]
 父の書斎で一冊の古い「本」を見つけた16歳の少女は、
ヨーロッパ各地への旅に連れ出した父より、父の大学時代の話、
もう一冊の「本」を持っていた歴史学の恩師・ロッシ教授の失踪と
死んだ母の出会いの物語という初めて聞く話を聞かされる。
 しかし、すべてを語り終えぬまま、父も少女の前から姿を消してしまう。
 父が残した手紙を手がかりに、少女は父を探す旅に出る。

 この作品は、竜の挿絵しか描かれていない古い「本」を手にした、
歴史を研究するロッシ教授・父・娘の3人の探求の物語であり、
東欧やオスマントルコの歴史、ドラキュラ伝説を巡る物語である。

 それなのに、ドラキュラやその手下の影が見え隠れし、
怯える人々の様子などは、スリラーやファンタジー風な味付けもあり、
父の母との出会い、父母の娘への愛といった家族の愛の物語でもあり、
失踪したロッシ教授や父の謎を追うサスペンスでもある点が面白かった。
 何よりも、父の語る恩師の話、父自身の話、その娘の話が交錯しながら、
次第に繋がっていき、色々判ってくる展開は、先が気になってしまい、
途中で本を置くのが惜しい気さえしてしまう程であった。

 特に、娘の両親の過去、2人の出会いの物語となる、
冷戦下の東欧での父の困難な歴史調査や探索の様子が一番良いと思った。
 その物語に登場する、歴史を研究する人達のネットワークや
協力などの様子が興味深く感じたし、仕組まれたような偶然により、
次々と新しい資料などに行き着いていく点が気に入った。

 ただし、歴史や本愛好家のドラキュラには、少々奇妙な感じもしたし、
キリスト教が関連するドラキュラの墓を巡る謎の追求の点では
いまひとつ面白みに欠くように感じたのが、残念である。

 また、蛇足だが、ある程度はドラキュラ伝説等への知識や興味がないと、
上下巻1000頁余の大作を読むのは辛いであろうことを付け加えておく。


ヒストリアン・Iヒストリアン・II

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2007.03.03 (Sat)

『顔のない男』

[著者]北森鴻
[出版社]文藝春秋
[初版発行]平成12年10月30日

[感想等]
 惨殺死体で発見された「空木(うつき)精作」は交友関係が皆無で
犯人探しが難航する殺人事件になってしまう。
 彼の残したノートを調べていくうちに2人の刑事・原口と又吉(またよし)は
次々に新たな死体と事件に遭遇することになる。

 「空木精作」という「顔のない男」の事件解明から、
発生していく事件を描いた7話から成る連作短編集で、
最後にやっと「空木」という男の正体と全ての事件のつながりが
見えてくるのだが、1話毎に、書き下ろしの「風景」と称する
短編が挿入されている点が、なかなか良い構成である。

 「空木」という男が何者であるのかという点は、
途中でなんとなく察しがついてしまったものの、
結末の意外さや、2人の刑事の捜査の様子が面白く、
楽しめる作品であった。
 特に、先輩刑事・原口に対して又吉が次第に不審を抱き、
勝手に行動していく展開が良く出来ていたと思う。

 ただ、発端となる事件やその他の事件が少々陰惨なので、
解決後も後味が良くないし、「空木」や他の被害者たちに
同情できないまま終わってしまうのが、少々、残念な気がした。


『顔のない男』

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