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2007.08.30 (Thu)

言葉(BlogPet)

きょう星影丸が言葉みたいな殺害しなかった?

*このエントリは、ブログペットの「星影丸」が書きました。
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EDIT  |  08:45 |  このブログに関する雑談  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.08.26 (Sun)

『イノチガケ 安吾探偵控』

[著者]野崎六助
[出版社]東京創元社 創元クライム・クラブ
[初版発行]2005年11月25日

[感想等]
 『安吾探偵控』シリーズ、第2弾。
 昭和20年の東京。太平洋戦争の戦時下で空襲の続く中、
古林少年他、教員、保険員、記者、戸籍係など様々な職業をもつ面々が
坂口安吾の元へ探偵小説が好きな賢人同盟として集まっていた。
 空襲に関係ない場所で突然倒れて死んだ徴用工・赤井の事件を
推理するためだったが、事件の謎は解けないまま、
その後、焼夷弾の降る夜毎、賢人同盟員が次々と殺される事件が続く。
 犯人はいったい誰なのか?・・・坂口安吾は様々な推理の末に、
真相を知ることが出来たのか?

 この作品は、前作が未読でも差し支えの無い作品になっている。
 空襲の東京の生々しい描写の中で、殺人事件が起こっていくのを
客観的な空襲状況の記録の後に、古林少年の視点の手記が続くという、
構成で、ストーリーが進んでいく。

 ネタばれになってしまうが、当初から、古林少年が何かを隠していて、
犯人ではないかということは、察しがついてしまった。
 また、現実の空襲の描写の凄さ・怖さの中で起こる殺人事件は、
首をなくしているのに歩いていく死体とか、防空壕を密室に仕立て
殺人を起こすなどという点が、面白く出来ているにもかかわらず、
妙に絵空事めいて感じられてしまったし、『坂口安吾探偵控』なのに、
探偵役としての坂口安吾の影が薄い気がした。

 けれども、犯人の動機や殺害方法などのトリック解明以上に
古林少年にまつわる意外な真相が最後に登場して、
驚くことが出来、戦時下を舞台に選んだ理由に納得がいった。

 なお、最後に実際に坂口安吾に関わりのあったある学生
(後に小説家になる人物)を登場させている点は必見。


イノチガケ 安吾探偵控


<My Blog関連記事>『安吾探偵控』

  

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 野崎六助

EDIT  |  11:07 |  まあ面白いと思った本(☆3つ)  | TB(0)  | CM(2) | Top↑
2007.08.25 (Sat)

『安吾探偵控』

[著者]野崎六助
[出版社]東京創元社 創元クライム・クラブ
[初版発行]2003年9月30日

[感想等]
 太平洋戦争前の京都。下宿屋の主人から家出娘の捜索を頼まれた坂口安吾は
酒造業を営む紅(くれない)家の婿養子・朔二郎(さくじろう)の殺人事件に
遭遇してしまう。殺人現場は降雪のため、一種の密室状況であった。
 十何代も続く女系一族で「お家さん」と呼ばれる寝たきりの老婆と
主人・万造、主人の後添え、美貌で個性的な三姉妹とという家族か、
使用人や酒蔵に集う酒男達の中に犯人がいるのか?
 坂口安吾が探偵役となり、その助手役を自負する鉄管小僧を連れ、
酒蔵にまで入り込み、殺人事件や紅家の事情を探り始めると、
今度は主人・万造や杜氏の毒殺事件が発生してしまう・・・・。

 老人になった鉄管小僧が著者に語ったという形で進む構成で、
雪による密室状態の中にあった死体や香時計や蝋燭時計の時間トリック、
毒殺事件の毒摂取方法の謎という坂口安吾の目の前で起きている事件に、
過去に起こった国税庁の役人の事故死や紅家の主人の謎めいた過去など、
様々な要素が絡み、なかなか複雑で、謎解きを楽しめる作品である。

 何よりも、坂口安吾の事実や実在の人物らも絡めてある点や
出稼ぎで来る酒男達の作業の様子や京都の造り酒屋の実情など、
時代的な雰囲気や背景的な部分が良く出来ているように感じられ、
実際に坂口安吾が探偵役としてこんな事件に遭遇したかもしれない
と思わせられたし、興味深かった。


安吾探偵控

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2007.08.23 (Thu)

展開を労働したかも(BlogPet)

きょうは、展開を労働したかもー。

*このエントリは、ブログペットの「星影丸」が書きました。
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2007.08.22 (Wed)

『十津川警部 哀しみの余部(あまるべ)鉄橋』

[著者]西村京太郎
[出版社]小学館 小学館文庫
[初版発行]2007年7月11日

[感想等]
 新宿のホステスの殺人事件の容疑者として、十津川警部の同期生の
新宿署の高橋警部が浮かんだ。彼の無罪を信じる十津川警部の
捜査の結果は・・・?という、表題作『哀しみの余部鉄橋』他
十津川警部シリーズの『十津川、民謡を唄う』『北の空 悲しみの唄』
『北への殺人ルート』の4作品をを収録した短編集。

 4作品はどれも秀作で、犯人を追い詰める十津川警部や
亀井をはじめとする十津川班の刑事たちの執念や正義や人情を感じる
作品ばかりである。

 表題作『哀しみの余部鉄橋』はラストの余部鉄橋での犯人の自供と、
その結末が哀しい作品で、一度は成立したアリバイをネグリジェ姿
の被害者に付いていたゴミというほんの些細な点から疑問に思う、
十津川警部が冴えている。
 また、昔の余部鉄橋の列車事故の悲惨さや山陰の村風景の寂しさが
哀しみを深めるように、効果的に使われている。

 『十津川、民謡を唄う』は十津川警部が偶然、安来節を聞きつけ、
出会った芸者の死を知り、容疑者を探り出し追い詰めていく姿が
歌と共に心に残る作品である。

 『北の空 悲しみの唄』は十津川班の日下刑事の旧友の作詞家の
失踪事件を発端にして起こった女性歌手の殺人事件や、
レコード業界の裏幕を描いた作品で、犯人の死という結末には
やりきれない思いが残ってしまった。

 『北への殺人ルート』は夜行バスで起こった射殺事件を、
以前起きた保険金目当ての射殺事件との関わりから推理し、
犯人らしい人物の過去を追い、逮捕に至るまでの展開が面白かった。


十津川警部 哀しみの余部鉄橋

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2007.08.19 (Sun)

『化物語(ばけものがたり)』(上・下)

[著者]西尾維新
[出版社]講談社 講談社BOX
[初版発行]2006年11月1日・12月1日

[感想等]
 私立直江津高校3年の男子高校生・阿良々木暦(あららぎこよみ)が
関わってしまった、様々な女子達&怪異現象を描く連作短編集。
 上巻には『ひたぎクラブ』、『まよいマイマイ』、『するがモンキー』、
下巻には『なでこスネイク』、『つばさキャット』を収録。

 主人公の阿良々木暦の視点から語られるストーリーは、
同級生の女生徒・羽川翼と戦場ヶ原(せんじょうがはら)ひたぎや
ひたぎの後輩の女生徒・、神原駿河(かんばらするが)、
小学生・八九寺真宵(はちくじまよい)、妹の同級生・千石撫子など、
彼の周りには珍名で、怪異に悩まさせられる女子ばかりが集まり、
放浪の30男・忍野メメに助けられ、彼女たちを救おうとする
という不思議な経験をさせられる世界があるというもので、
かなり凝った設定がされている。
 何より、暦が吸血鬼に襲われて、忍野メメに救われている
という過去を持っている凄い設定が面白い。

 そして、登場する女子達は怪異現象に悩まされる以上に、
エキセントリックなキャラクターばかりで、
会話もかなりマニアックで高度なボケと突っ込みの応酬が続き、
暦がたじたじとなるという点がなんともいえない可笑しさがあり、
ツボにはまった人には、かなり楽しめる話になっているようだ。

 しかし、色々と親や家の関係に悩む女子が多いことや、
彼らの世界に、忍野メメ以外の大人は直接に登場せず、
悩みを相談する大人も先生もいない点がかなり気になった。
 また、高校生である暦は文化祭などの学校行事の話もしているが、
楽しんで参加している暦やクラスメートの姿は語られず、
冷めていて、ひたぎ達と怪異の世界や言葉遊びの世界にいる方を
楽しんでいるように思える点も気になる。

 この話を楽しいと思ったら、大人のいない世界に憧れていて、
かなりマニアックで屈折しているのではないだろうか?
 それで良いと思うのは、個人の自由だが・・・。
 私には、この話の登場人物達と同世代の人達には、
あまりこの話を楽しんで欲しくないような気がしてならなかった。


化物語(上)化物語(下)


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2007.08.18 (Sat)

『贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き』

[編者]宮部みゆき
[出版社]光文社 光文社文庫
[初版発行]2006年12月20日

[感想等]
 宮部みゆきがセレクトした海外のホラー小説の古典、有名作品など
15編を収録した短編集。

 よく例えに使われる『猿の手』(W・W・ジェイコブズ)など、
読んだことのある作品を改めて宮部みゆきの解説付きで読むと
違った発見があったり、知らない古典的な作品に触れられて、
恐怖感と満足感のある作品集だと思った。
 何よりも、選んだ作品の紹介文に宮部みゆきの深い思い入れが
現れているのが良かった。

 特に怖いと思った作品は『幽霊(ゴースト)ハント』
(H・R・ウェイクフィールド)のラジオ実況中の怪現象と
絵画を題材にした『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』
(デイヴィッド・マレル)の2作品で、どちらも強烈なイメージが
浮かんでくる作品であると感じさせられた。

 『変種第二号』(フィリップ・K・ディック)は以前読んでいたので、
結末などにはあまり驚かなかったが、SF好きで、初めて読む人には
面白く感じられる作品ではないだろうか。

 他には『羊飼いの息子』(リチャード・ミドルトン)や
『くじ』(シャーリー・ジャクスン)の、淡々と綴られていく物語が
ラストでぞっとする恐怖になるのが、悪くなかった。


贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き

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EDIT  |  16:22 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.08.18 (Sat)

PETAPPA!(ぺたっぱ)

先日、このブログに書きましたが、
BLOPPA!がサービス終了してしまうので、
PETAPPA!(ぺたっぱ)に新しく登録して、
また、ボトルメールを貼り付けることにしました。

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タグ : ブログパーツ PETAPPA!

EDIT  |  16:20 |  星影丸の投稿  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.08.16 (Thu)

きのうは意味(BlogPet)

きのうは意味ー!
だけど、現実世界みたいな参考されたみたい…
でも、☆kakiは短編に封印した。
だけど、ムクnapと日常を旅したよ♪

*このエントリは、ブログペットの「星影丸」が書きました。
EDIT  |  07:03 |  このブログに関する雑談  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.08.15 (Wed)

BLOPPA! サービス終了

ずっと愛用していたブログパーツのBLOPPA!
2007年8月20日でサービス終了になってしまうそうです。

少し早いのですが、今日、このブログからは
外してしまうことにしました。

別の運営会社でサービスは続けられるそうなので、
導入を考慮中です。
今まで、ボトルメール利用の訪問者が多かったから、
やめてしまうのが惜しい気がするので・・・。

テーマ : ブログパーツ - ジャンル : ブログ

EDIT  |  12:12 |  星影丸の投稿  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.08.15 (Wed)

お部屋じまんコンテスト

メロメロパークで、
初めてのお部屋自慢コンテストが行われている。

あまり、このブログではメロメロパークの話は
していなかったけれど、
初めてのイベントなので、応募を兼ねて、
私のメロのお部屋を公開してみます。

1.お部屋自慢コンテスト応募キャプチャ

☆ぴかっとマイホーム20070815.jpg


2.メロの名前

☆ぴかっと


3.お部屋のコンセプトorコメント(100文字程度)

3代のメロが過ごす賑やかな部屋なので、
明るい壁紙を選んで、楽しい部屋を目指しました。
中央のバスタブには、変なものが入浴中?!

4.メロの住所(任意)

メロブックストリート 1-112-258


テーマ : メロメロパーク - ジャンル : ブログ

タグ : メロメロパーク

EDIT  |  11:53 |  メロメロパーク  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2007.08.12 (Sun)

『親鸞の不在証明』

[著者]鯨統一郎
[出版社]祥伝社 ノン・ノベル
[初版発行]平成18年9月10日

[感想等]
 文明(ぶんめい)14年(西暦1482年)、8月。
 歴史の謎を求めて旅をしている六郎太(ろくろうた)と静(しずか)は、
親鸞(しんらん)に縁のある寺で、浄土真宗(じょうどしんしゅう)
中興の祖・蓮如(れんにょ)から、ある村での陰惨な連続殺人事件の話
を聞かされる。
 蓮如が暴いた事件の謎から、六郎太は気になっていた親鸞の問題の
解決を見つけ、親鸞の秘密に気が付く。

 親鸞に関して、浄土真宗の重要な書物にはあまり記載が無いことを
指摘する六郎太に自分が遭遇した殺人事件の話を始める蓮如なので、
何かその殺人事件に親鸞が登場するのかと思って読んでいたら、
延々と異教を信じる村の豪農五条丸家に婿入りした寛八郎の周囲で
起こった連続殺人の話が続くのには、とまどってしまった。

 その事件の意外な真相を解くことが出来たのが蓮如で、
それは親鸞の不在証明が関わっているというオチによって、
親鸞に関する意外な説も解くことが出来るという形で、
この作品で作者の言いたかった説が判るのですが、
出来れば、そういう形でなく、参考文献などを駆使しながら、
親鸞の不在証明を証明して欲しかった。
 説としてはなかなか面白いので、架空の殺人事件と同様の
単なる物語になってしまいそうなのが、惜しく思えたので・・・。


親鸞の不在証明

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タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 歴史 鯨統一郎

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2007.08.11 (Sat)

BlogPet星影丸の新5・7・5 No.7

 今日のBlogPetの星影丸の5・7・5が良く出来ていたので、
久しぶりに紹介します。


 No.7
20070811.jpg

『結末や 設定したる 想いなり』

 星影丸は作家になったつもりなのでしょうね。
 思いではなくて、想いという言葉を
選んでいるところが洒落ている気がしました。


BlogPet」は、株式会社ワークアットの登録商標です。
「ブログペット」「ぶろぐぺっと」は、商標です。
「BlogPet」に関する著作権および一切の知的財産権は
株式会社ワークアットに帰属します。

テーマ : つぶやき - ジャンル : 小説・文学

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2007.08.08 (Wed)

『方舟(はこぶね)は冬の国へ』

[著者]西澤保彦
[出版社]光文社 カッパノベルス
[初版発行]2004年8月25日

[感想等]
 勤めていた会社を辞め、失業中の十和人(つなしかずと)は、
ハローワークの前で奇妙な男に声をかけられ、仕事をしないかと
持ちかけられる。その仕事とは夏の1カ月の間、別の名前を名乗り、
見知らぬ女性と少女との仲のいい三人家族を装いながら、
盗聴器と監視カメラのある家に滞在するという不可解なものだった。
 仕事を請けた和人は別人として暮らしながら、次第に不思議な
経験をすることになるのだが・・・。

 お互いの素性も知らずに、三人家族として暮らすことになるという
奇妙な状態で、監視している人々や一緒に暮らす女性や少女の正体や
この仕事の目的を和人の立場で暴いていくのを楽しむ作品かと思ったら、
話は和人の嫌な過去が現在に影響を与える事件に発展して行ったり、
ラブストーリーやSF的になったりと、とても不思議な展開の作品で、
かなり戸惑った。

 が、夏を舞台にした不思議な物語として考えるとなかなか面白いし、
和人だけでなく、女性、少女が、嫌な人間ではなく、
実際の家族以上にお互いを思いやるような家族になっていくのは心地良く、
SF的にテレパシーが生じるのも有りかなと思わせるのが上手い。
 また、途中でなんとなく判ってしまうが、少女・レイナの過去の事件や、
女性・理香の過去などの話も上手く設定されていて楽しめた。

 ただし、最後のハッピーエンド的な部分は作り過ぎかもしれない。
 ひと夏の夢物語だけで終わらせても良かったのではないかという気もした。


方舟は冬の国へ

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2007.08.05 (Sun)

『落下する花 ―月読(つくよみ)―』

[著者]太田忠司
[出版社]文藝春秋
[初版発行]2007年3月25日

[感想等]
 死者の最期の思いが「月導(つきしるべ)」として遺るという設定で、
死者の最期の想いを読むことのできる異能者「月読(つくよみ)」の
朔夜(さくや)が残された人からの依頼で死者の思いを読んでいく連作集。
 収録作品は表題作『落下する花』の他、『溶けない氷』『般若の涙』
『そこにない手』の4編。

 死者の最後の思いが「月導」として物質の形や香り、
感触などととして残る以外は、現代の日本と変わらない世界を
舞台にしているのに、不思議な雰囲気のある作品である。
 が、残された思いを異能者「月読」に読んでもらいたい事情が
色々と複雑で、死者の生前の人間関係や、死者の思い、
残された人々の苦しみなどの、死に関する重い事柄も扱っている。

 もし、現実世界で、このように死者の思いが残るとしたら、
犯罪事件の犯人検挙などに役立ちそうだと思うが、
それも、読み取れるのが「月読」だけであるので、
証拠能力は無いとして、直接的には犯罪事件は解決しない点が
ひとひねりあって、良くできていると感じた。
 また、「月導」「月読」に対する人々の複雑な思いなども
良く描けていて、なかなか面白く読めた。

 4編はそれぞれ面白いが、温厚な人間として知られていた女性が
事故で無くなった場所に残った般若の形の「月導」が残り、
夫や娘が近所の中傷に苦しみ、死者の弟が会社の社長の「月導」
に関わったことのある「月読」・朔夜に、読み説きを依頼する、
『般若の涙』が特に面白く感じた。
 社長の「月導」をめぐり、社内が紛糾している経験を持つ叔父と
母親の「月導」に苦しむ姪の2つの出来事が、最後には
納得できる結末を迎えるし、意外な犯罪事件が見つかり、
犯人が捕まるというおまけもあり、盛り沢山な内容で、
楽しめる作品であった。

 なお、この作品には
『月読』
(文藝春秋)という前作があるのだが、
それを読んでいなくても、充分に楽しめると思う。
 が、『月読』は朔夜の過去やこの連作集にも登場している
刑事・河井との関わりが描かれている作品であるので、
本作に興味をもったら、読んでみると良いかもしれない。


落下する花 ―月読―

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2007.08.04 (Sat)

『棄霊島(きれいじま)』(上・下)

[著者]内田康夫
[出版社]文藝春秋
[初版発行]平成18年4月30日

[感想等]
 浅見光彦100番目の事件。浅見が五島列島への取材旅行で知り合った
親切な初老の元刑事・後口が静岡の海岸で死体となって発見された。
 事情聴取される羽目になった浅見は、彼を殺した人間を探そうと、
長崎、信州などを尋ね歩く。
 そして、見えてきたのは長崎の軍艦島を舞台にした過去の事件や
戦時中の朝鮮人の強制労働、戦後の炭鉱の閉鎖などの重い歴史的事実や
現代の竹島領土問題、北朝鮮の拉致問題へまでも繋がる様々な問題であり、
大物政治家を巡る過去が招いた事件だった。

 最初の元刑事・後口との浅見の出会いがほのぼのと楽しい交流で、
少しは明るい事件ではないかと期待したのだが・・・。
 長崎の軍艦島を舞台にした過去の事件が、現在の事件を呼ぶという
展開はなかなか面白くはあるが、次々明らかになる
日本の闇の部分の記述、戦中の朝鮮人の強制労働問題や
戦後の炭鉱の閉鎖などという、様々な暗い側面が重くのしかかる感じが
最後まで消えない物語であった。

 現代の竹島領土問題、北朝鮮の拉致問題を取り入れて、
登場人物などに意見を言わせている点がフィクション作品に
重みと真実味を添えている点は、流石であると思った。
 それでいて、浅見をあちこちへ動かし、色々観て、食べさせ、
旅情ミステリの面白さを持たせている点は相変わらず楽しく、
著者らしさを感じさせ、良く出来ていると思った。

 ただ、犯人は途中で察しがつくし、ラストも後味があまり良くない。
 解決をしながら、浅見が口をつぐんでしまって良いのか、
過去をそういう形で封印して良いのかと疑問に感じてしまった。
 自ら死を選んだ人間の事情や心情を尊重するのも大切だろうが、
殺された人々やその家族のためにも、事実を明らかにするのが、
辛くても探偵の役目ではないのだろうか?とも思われてならないのだ。


棄霊島(上)棄霊島(下)


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2007.08.01 (Wed)

『書物狩人(ル・シャスール)』

[著者]赤城毅
[出版社]講談社 講談社ノベルス
[初版発行]2007年4月5日

[感想等]
 第二国際古書籍商連盟(SILAB)という合法非合法を問わず、
あらゆる手段を用いて秘密をはらんだ本を入手する謎の団体の
書物狩人(ル・シャスール)、ユウイチ・ナカライ(半井優一)が活躍し、
入手した稀覯本をめぐり、歴史の意外な秘密が現れる、『教科書に準拠して』
『神々は争う』『Nの悲喜劇』『実用的な古書』の4編を収録した短編集。

 JFKの暗殺実行犯・オズワルドへの指示が書かれた歴史書を扱う
『教科書に準拠して』、キリスト教の教義を覆すような第五の福音書が
登場する『神々は争う』、ナポレオンの蔵書に関する『Nの悲喜劇』、
中国の領土に関わる古書を扱った『実用的な古書』など、
それぞれ、事実の中にフィクションをちりばめながら、
歴史の新解釈や謎解きをしている点が楽しい短編集である。

 謎解きの点では、ナポレオンの遺髪の挟まった本に関する
『Nの悲喜劇』が日本に在住したことのある人間の持ち物だった
という伏線を上手に生かしていた謎解きや、展開される話の内容が
とても面白く感じ、一番読み応えがある感じがした。

 また、日本を舞台とした『実用的な古書』は、大学の助教授を名乗る、
書物狩人ユウイチ・ナカライ(半井優一)の謎が少し明かされる点が
良かったと思う。

 なお、タイトルにもなっている「ル・シャスール」はフランス語で
「狩人」という意味であるそうだ。


書物狩人


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