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2011.11.27 (Sun)

『荒野のホームズ』

[著者]スティーヴ・ホッケンスミス
[訳者]日暮雅通
[出版社]早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814
[初版発行]2008年7月11日

[感想等]
 19世紀末のアメリカ・西部。主人公(おれ)と兄のオールド・レッドは
家族も家も洪水で失い、雇われカウボーイの生活を送っていた。
 字の読めない兄だったが、雑誌に載っていたのをおれが読み聞かせた、
シャーロック・ホームズの『赤毛連盟』に感銘を受け、
論理的推理を武器とする探偵を志すようになった。
 そんなおれと兄が雇われた、怪しげな牧場で死体が見つかる。
 そして、兄がホームズとして、皆に失笑されながらも、
犯人探しを始めることになり、おれはワトソン役を勤めることに・・・。

 イギリスではなく西部でホームズが活躍する話ではなく、
ホームズを崇拝するカウボーイが、ホームズの方法を真似して
犯人探しをするという、ちょっと変わったホームズ・パスティーシュで、
ホームズの物語が雑誌に載っていて、人々が楽しんでいた時代を
感じることが出来たのが、良かった。
 そして、ホームズが実在しているという設定が何より素敵だ。

 もちろん描かれている事件の謎の解決もまずまず面白く、
西部のカウボーイの生活や、当時のアメリカの雰囲気が興味深い。
 兄を心配する弟が語り手をつとめているのも、しみじみさせられた。
 続編が出ているそうなので、それも読んでみたくなった。




荒野のホームズ



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2011.11.12 (Sat)

『暁英(きょうえい) 贋説・鹿鳴館』

[著者]北森鴻
[出版社]徳間書店
[初版発行]2010年4月30日

[感想等]
 作家・津島好一は鹿鳴館を題材にした新作を書こうとしていた。
 設計図さえ残っていない鹿鳴館は、謎の多い建物であり、
なかなか執筆が進まずに悩んでいた津島だったが、編集者に
海南潤一郎(うなみじゅんいちろう)という青年を紹介され、
鹿鳴館の裏門が逗子に現存していることを教えられ、
さらには、彼より出所を明らかにしない鹿鳴館の設計図の
コピーを贈られ、『小説 暁英』という作品を描き始める。

 暁英とは、鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルが、
風刺的な絵を描く日本画家・河鍋暁斎に弟子入りし、
貰った雅号である。
 この作品は津島が描いた作品という形で、コンドルの視点から
彼の日本での活動が描かれるという構造になっている。

 コンドルは、日本人建築家の育成や鹿鳴館を作るためだけでなく、
国際商社ジャーデン・マセソン社から、日本で姿を消してしまった
ウォートルスというアイルランド人建築技術者を探せという密命を
受けていたとして、その探索も描かれている。
 が、やはり、一番の謎は、鹿鳴館がどのような建築物だったのか、
コンドルはそういう意志を持って、鹿鳴館を設計したのかだろう。

 残念ながら、この作品は著者・北森鴻の急逝で、完結しないで
終わってしまい、津島の小説内のコンドルも鹿鳴館を建設中で、
コンドルの設計の意図は明らかにされていない。
 また、津島に設計図のコピーを渡した海南には何か訳あり気だが、
それも判らずじまいである。
 出来れば、著者に最後まで書く時間を与えて欲しかった・・・。

 しかし、ウォートルスの行方の謎は、一応解決しているし、
何よりも、鹿鳴館を建設したコンドルの人物像や、周囲の人々、
歴史上の偉人も、名も無きような人々までの描き方が良くて、
読み応えのある作品になっている。



暁英 贋説・鹿鳴館



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