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2006.03.29 (Wed)

『全一冊 銭屋五兵衛と冒険者たち』

[著者]童門冬二
[出版社]集英社 集英社文庫
[初版発行]2005年6月10日

[感想等]
 鎖国下の幕末、北前船での北方交易で財を成した加賀の豪商、銭屋五兵衛(ぜにやごへい)。
 五兵衛は本多利明(ほんだとしあき)という学者の「海に国境は無い」という言葉を
実現したいという夢を持っていたものの、干拓事業に絡み失脚、牢死してしまう。
 その五兵衛の遺志を継ごうと考えていた番頭の大野弁吉(おおのべんきち)は
加賀藩を追われたものの、逃げこんだ越前大野藩には、
英邁な藩主・土井利忠(どいとしただ)が居り、山間の地ながら、
外国への交易に関心を持ち、海へ乗り出そうとしていた。
 交易に関する知識やその理想を見こまれて大野藩の交易計画に参加した弁吉は
江戸に出て、大野藩の交易の実現、大野丸の建造に尽力しながら、
さらにはその語学の才等を見こまれ、ロシアの開国要求に苦慮している
勘定奉行兼海防掛・川路聖謨(かわじとしあきら)の手助けや、
勝海舟や坂本竜馬などの海外に目を向けている人々にも影響を受け、
彼らにも影響を与えていく。

 大野弁吉はカラクリ製作で有名な、実在する人物であるが、
彼が幕府の要人と交流し北方交易や開国などに活躍した部分には
フィクションの部分も有るらしい。
 しかし、彼や銭屋五兵衛をはじめとする、北方交易に乗り出す商人達の
志や理想が高く、夢に向かって互いに協力し合える姿や、
人を身分で差別しない度量を持ち、世界に目を向けた幕府の人々が居たことや、
彼らが開国を推し進めていくストーリー展開がとても感動的であった。

 この作品に出てくる人々の、志の高さや力を尽くそうとしていく姿、
身分無しの人間のつながりや損得抜きの協力、等々を、
小説の中だけで現実には有り得ない理想や美化だとは思いたくない。
 高い理想と広い視野を持つ人々が居たから、旧態な幕府を倒せたのであり、
現代にもこのような、個人の損得を超えて協力し合い、世界に目を向け、
自分の国を良くしたいという心が大切で必要なことなのではないのかと
つくづく感じさせられた作品であった。


全一冊 銭屋五兵衛と冒険者たち

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

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