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2006.04.12 (Wed)

『かげろう絵図』〈上・下〉

[著者]松本清張
[出版社]文藝春秋 文春文庫
[初版発行]2004年8月10日

[感想等]
 天保11年の桜見の会で起こった、大御所・徳川家斉寵愛の
中臈・多喜の方の事故による流産と死の原因を作った女中・登美は、
中臈・お美代の方のお気に入りの中年寄・菊川の部屋付きに抜擢される。
 が、登美はお美代の方の養父で権勢を誇る中野石翁を父の敵とし、
寺社奉行・脇坂淡路守に組する旗本・島田又左衛門の意を受け、
家斉の寵愛するお美代の方の父の僧侶・日啓の隆盛による、
法華宗僧侶と大奥女中の風紀の乱れを探り、大奥を粛清し、
お美代の方や石翁の失脚を図ろうとしていたのだった。
 やがて、家斉が病で倒れ、中野石翁と家斉の側衆・水野美濃守や
西の丸老中・林肥後守などによる、12代将軍・家慶の次の将軍を
お美代の方の娘・溶姫の子の前田犬千代にするという陰謀が起こり、
次第に対抗する家慶派の老中・水野忠邦に、島田らが味方していく。

 家慶派の老中・水野忠邦と家斉派の中野石翁という両派の対立が
家斉の大奥の風紀の乱れや世継決定への陰謀事件によって描かれている
歴史上の事実を元にした小説なのだが、歴史上の主要人物よりも、
必死の潜入探索をする登美やその登美に懸想し画策する大奥添番・落合、
島田又左衛門の三男・部屋住みの新之助やその友・医師の良庵など、
あまり身分の高くない人々の暗躍・活躍する姿が鮮烈で、
それぞれの視点で、色々起こる事件や駆け引きが描かれ、
両派の優劣が次々に変化していく展開が面白い作品になっている。

 結局は水野忠邦の勝利に終わるという歴史の流れの中で、
その彼もやがては失脚していくことに権力闘争の虚しさを感じ、
権力闘争に関わり命を落とす多くの人々がいたことへの悲しさを
改めて感じさせられる作品になっている点が良かったと思う。


かげろう絵図〈上〉かげろう絵図〈下〉

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