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2006.05.13 (Sat)

『暁の密使』

[著者]北森鴻
[出版社]小学館
[初版発行]2006年1月1日

[感想等]
 明治時代、東本願寺派僧侶・能海寛(のうみゆたか)は
仏教の原典「チベット大蔵経」を求めて
鎖国下の西蔵(チベット)の聖地・拉薩(ラッサ)を目指していた。
 彼が日本人として初めてチベットの地を踏んだという事実や
その裏を発掘する歴史ミステリー。

 チベット潜入に関しては、私は歴史上有名な
河口慧海(かわぐちえかい)の名前位しか知らなかったが、
能海寛は日本人として初めてチベットを訪れていたのは事実らしい。
 ただし、この作品は単に埋もれていた能海寛のチベット潜入行の様子を
明らかにするだけでない。
 ネタばれになってしまうのだが、河口慧海と能海寛の2つの潜入が
関わりがあり、実は明治政府の欧米列強へ対抗する陰謀だったと
推理している点が凄いと思った。

 また、潜入行の様子や推理の面白さを描いているだけではない。
 能海や彼と中国で出会った実在の人物達だけでなく、
おそらくは架空の人物達の日本人工作員・成田安輝(なりたやすてる)や、
清国人・揚用(ヤンヨン)や不思議な山の民の明蘭(ミンラン)と
義烏(イーウー)などの人物造型が面白いし、
彼らの協力的・策謀的な行動や様々な思惑が描写されていることで、
能海の純粋さや人柄の良さなどを際立たせている感じがしたし、
歴史の闇に埋もれてしまった結末が悲劇的に思える作品である。
 何よりも、能海が政治的な陰謀に巻きこまれてしまう
日清・日露戦争の時代の雰囲気が感じられ、不自然や絵空事ではなく、
実際にそういう裏があったのかもしれないと納得出来る点が良いと思った。


暁の密使

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

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