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2006.09.23 (Sat)

『うらなり』

[著者]小林信彦
[出版社]文藝春秋
[初版発行]2006年6月25日

[感想等]
 夏目漱石の代表作『坊っちゃん』の登場人物「うらなり」が昭和の東京で
「山嵐」(堀田)と再会し、『坊っちゃん』の中の事件や「うらなり」のその後を
回想するという『坊っちゃん』の後日談的な物語。

 夏目漱石の『坊っちゃん』の別の面から見た物語を読み直しながら、
改めて『坊っちゃん』を読み直しているように感じられる、
この作品の着想には感心した。
 特に、漱石の『坊っちゃん』では、主人公の名前が書かれていない点を
上手に処理しているところは良く出来ていると思った。

 「うらなり」の眼で見た『坊っちゃん』の物語が回想的に語られる部分では、
「坊っちゃん」・「山嵐」と「赤シャツ」の対立のように思われる事件は、
実は「うらなり」・「山嵐」と「赤シャツ」が対立していた事件であって、
「坊っちゃん」は関係も無いのに、勝手に事件に飛び込んできて、
必要も無いのに学校を辞めて去った、奇妙な人物になっているのが興味深かった。
 何よりも、「うらなり」にとっての「坊っちゃん」は、
いつしか名前も忘れてしまったような短い付き合いの相手で、
「うらなり」「山嵐」の迷惑に気が付かない人物であり、
衝動的で子供っぽく、後の人生でも敗者ではないかと
「うらなり」が思っているのが皮肉で面白く感じられた。

 が、肝心の「うらなり」のその後の人生は、晩婚ながら良き妻を得て、
平凡な幸福な人生を送っていたなどとありきたりだったし、
「マドンナ」のその後や彼女との再会の話などはいまひとつ面白くなかったし、
「山嵐」のその後などがあまり描かれていないのには、少々ガッカリした。

 なお、巻末に収録されている『創作ノート』は、この作品の裏話だけでなく、
著者による夏目漱石論になっていて、こちらの方が作品自体より面白いかもしれない。


うらなり

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

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★東京で皮肉や、子

東京で皮肉や、子供と、勝手などを再会しなかったの?
BlogPetの星影丸 |  2006年09月23日(土) 16:50 | URL 【コメント編集】

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