09月≪ 2017年10月 ≫11月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031
--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑
2006.10.14 (Sat)

『絹扇』

[著者]津村節子
[出版社]新潮社 新潮文庫
[初版発行]平成18年2月1日

[感想等]
 明治・大正・昭和という時代の社会の変化の流れの中で
白羽二重で知られる福井の絹織物史や機織の機械の進歩を絡ませ、
1人の機織の女性の半生を描かい作品。
 明治21年生れの中村ちよは、7歳で家業の機屋を手伝い、
そのために学校も満足に通えなかった。
 やがて、成長したちよは美貌と機織りの腕を見込まれ、
絹織物業の名家の大学卒の次男・西山順二に嫁ぎ、
分家となった夫の織物工場で献身的に働くことになる。
 夫の先進性と彼女の努力とで順調に会社は発展していくのだったが、
夫の隠し子の発覚、関東大震災による損害など様々な苦難がちよを襲い、
さらには夫が急死してしまう。

 今ならば男尊女卑と糾弾されるような、
幼い頃は家業を手伝うため、弟は学校に通えるのに、
自分は通えず、また、結婚してからは男の子が産めず苦しみ、
夫の隠し子の男の子たちを引き取るような、ちよの姿は痛々しい。
 でも、彼女は不幸だとは思わず、自分の機織の技術に対する誇りがあり、
同じように機織の技術を持ち、父亡き後の小さな機屋を守ってきた母親を
深く尊敬している点などに感銘を覚えたし、
姉妹が嫁いだ後に仲良く集まるような貧しいが暖かな彼女の実家や、
福井の機織に携わる女達の一生懸命な姿が心に残った。
 その反面、ちよに理解を示しているような夫が隠し子を作っていたり、
ちよの弟は大学で勉強したいと家出してしまうなど、
男達は身勝手で腹立たしく思われてしまった。

 夫の死、会社の倒産で娘たちと小さな機屋で再出発する
ラストのちよの姿は清清しく、健気で力強い。
 しかし、その後のちよの幸せな姿が描かれていない点が
気がかりであり、書いて欲しくも思えた。


絹扇

スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

EDIT  |  11:51 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除に必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。