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2007.02.04 (Sun)

『僕たちの戦争』

[著者]荻原浩
[出版社]双葉社 双葉文庫
[初版発行]2006年8月20日

[感想等]
 現代のフリーター・健太と昭和19年の軍国青年・吾一が
時空を超えて、入れ替わってしまう。
 2人はそっくりだったため、周囲は別人になったことに気付かず、
それぞれの境遇や時代の違いに戸惑い、驚きながらも順応しつつ、
2人は自分の時代に戻ろうとするのだが・・・。

 タイムスリップ、入れ替わりなど、良くある題材だし、
現代の青年が60年前の戦争の時代が今とかなり違うことに、
驚くという設定の話も他にあった気がする。
 しかし、この作品は現代の青年のユーモアたっぷりな視点と
昭和の軍国青年の生真面目な思いつめたような視点の差が、
カルチャーショック的で、面白さを感じさせる作品になっている。
 そして、仕方なく、どちらも相手に成り代わるのだが、
側にいた女性への愛を感じ、それぞれの環境に適応していき、
それぞれの時代の青春を生きる青年になっていくところが良い。

 航空隊員・吾一の身代わりの健太は「回天」に乗り込む羽目になるが、
最近読んだ『出口のない海』に感じた悲壮感がなくはないが、
それよりもその時代の青年らしい使命感の方が強く、
もしかしてそれをきっかけに現代に戻れるのではという
希望も感じる点が救いはあるが、甘いといえば甘い。
 ただし、この作品のほうが軍隊での上下関係による
理不尽な虐めの嫌らしさを強く感じた。

 戦後60年余りで世の中は良くなったのか悪くなったのか・・・。
 青年が前途を戦争で奪われることはなく、健太のように自由を満喫し、
秘めることなく愛し合うことが出来る現代は素晴らしい時代なのに、
厳しい訓練や決まりや上下関係のある軍隊で、死を覚悟しながら
愛などを語ることもない暮らしをしてきた吾一の方が、
りりしく清清しく思えてしまうのがとても残念な気がした。

 なお、ネタばれになってしまうが、ラストで、
2人は結局どうなったのか判らないままなのが気になって仕方ない。
 出来れば、2人のその後をきちんと書いて欲しかった。


『僕たちの戦争』


<My Blog関連記事>『出口のない海』

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 荻原浩

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