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2007.03.04 (Sun)

『ヒストリアン』I ・II

[著者]エリザベス・コストヴァ
[訳者]高瀬素子
[出版社]日本放送出版協会
[初版発行]2006年2月25日

[感想等]
 父の書斎で一冊の古い「本」を見つけた16歳の少女は、
ヨーロッパ各地への旅に連れ出した父より、父の大学時代の話、
もう一冊の「本」を持っていた歴史学の恩師・ロッシ教授の失踪と
死んだ母の出会いの物語という初めて聞く話を聞かされる。
 しかし、すべてを語り終えぬまま、父も少女の前から姿を消してしまう。
 父が残した手紙を手がかりに、少女は父を探す旅に出る。

 この作品は、竜の挿絵しか描かれていない古い「本」を手にした、
歴史を研究するロッシ教授・父・娘の3人の探求の物語であり、
東欧やオスマントルコの歴史、ドラキュラ伝説を巡る物語である。

 それなのに、ドラキュラやその手下の影が見え隠れし、
怯える人々の様子などは、スリラーやファンタジー風な味付けもあり、
父の母との出会い、父母の娘への愛といった家族の愛の物語でもあり、
失踪したロッシ教授や父の謎を追うサスペンスでもある点が面白かった。
 何よりも、父の語る恩師の話、父自身の話、その娘の話が交錯しながら、
次第に繋がっていき、色々判ってくる展開は、先が気になってしまい、
途中で本を置くのが惜しい気さえしてしまう程であった。

 特に、娘の両親の過去、2人の出会いの物語となる、
冷戦下の東欧での父の困難な歴史調査や探索の様子が一番良いと思った。
 その物語に登場する、歴史を研究する人達のネットワークや
協力などの様子が興味深く感じたし、仕組まれたような偶然により、
次々と新しい資料などに行き着いていく点が気に入った。

 ただし、歴史や本愛好家のドラキュラには、少々奇妙な感じもしたし、
キリスト教が関連するドラキュラの墓を巡る謎の追求の点では
いまひとつ面白みに欠くように感じたのが、残念である。

 また、蛇足だが、ある程度はドラキュラ伝説等への知識や興味がないと、
上下巻1000頁余の大作を読むのは辛いであろうことを付け加えておく。


ヒストリアン・Iヒストリアン・II

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 歴史

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