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2007.05.06 (Sun)

『邪魅(じゃみ)の雫(しずく)』

[著者]京極夏彦
[出版社]講談社 講談社ノベルス
[初版発行]2006年9月26日

[感想等]
 昭和28年の夏、江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのような
毒殺死体が続々と発見される。
 所轄署に左遷になっていた青木による事件の調査とは別に、
どうやら榎木津の縁談がらみの事件らしいとのことで、
薔薇十字探偵社の益田が榎木津に内緒で調べ始めるが・・・。

 事件は戦時中に旧陸軍研究所で極秘に研究されていた毒物による
毒殺事件で、陰謀的な大事件を期待してしまったせいか、
歴史に残る帝銀事件なども言及されるストーリーなのに、
いまひとつ盛り上がりに欠く事件であった。
 これは、派手な見せ場の多い榎木津や京極堂がおとなしく、
代わりに益田やいつもは情けない関口が活躍したせいかもしれない。
 それはそれで、悪くはないとも思えるのだが・・・。
 また、榎木津ファンには過去の恋愛や縁談話が気になるだろうが、
その部分もいまひとつ、期待ハズレな感じがした。
 
 何よりも、警察や益田達の事件調査の様子と加害者風な複数の人物の
心や視点による独白風な文章が入り乱れるのが、かなり混乱する。
 容疑者や犯人達が、関口によって分析理解できるような、
自己の認識が他人とは違うことに気付かない人達であり、
それぞれの独白部分を誰が語っているのかということが、
最初は判りづらいのもそれに拍車をかけるし、
被害者の1人の女性が、身元を偽って他の人になっていたのか、
という点も、なかなか明らかにならず、煙にまかれる感じで、
判りにくいまま、長々と展開されるのは少々辛かった。

 だが、自分の認識が他人と違うことに気付かなかったり、
世界と自分、他人と自分の距離感や関係が判らなくなっていたり、
悪人は殺されても当然という考えで殺人を犯すなどといった、
現代にも充分にありそうな犯人の心理や行動などに思える点は、
なかなか考えさせられるものがある作品であった。


邪魅の雫


<My Blog関連記事>『百器徒然袋―風―』

  
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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 京極夏彦

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