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2007.06.17 (Sun)

『名もなき毒』

[著者]宮部みゆき
[出版社]幻冬舎
[初版発行]2006年8月25日

[感想等]
 妻の父が経営している財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、
トラブルを起こし解雇したアルバイト・原田いずみの身上調査のため、
私立探偵・北見を訪問し、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという
女子高生・古屋美知香と知り合う。
 そのことで、杉村はアルバイト解雇問題に関わるだけでなく、
無差別毒殺事件にまで首を突っ込むことになってしまう。

 本書にはタイトルにある「毒」として、無差別毒殺事件や
シックハウス等の社会的にも話題になるような問題としてだけでなく、
原田いずみという女性の性格にある「毒」までも登場し、
主人公の杉村の周囲で、様々なストーリーが平行して進んで行き、
一気に読んでしまうようなストーリー展開であった。

 とにかく、原田いずみという女性の自己正当化の為に嘘を付き、
攻撃するという「毒」に侵された人々の姿に同情を覚え、
毒殺事件以上の恐怖を覚えた。
 彼女に同情出来るような性格破綻の原因が無いせいか、
可哀想という気持ちも起こらない自分が怖くなったし、
実は自分の周囲にも普通にいる人間の1人なのかもしれない
と思わせられ、圧倒されてしまった。

 それに対して、婿養子的な立場にいても、純で人の良い杉村という
主人公は、ちょっと理想的な人物すぎて、実在しそうにもないような、
気がしてしまうのが、難点かもしれない。

 また、原田いずみの問題で、無差別毒殺事件の方が、
少々、印象が弱く、被害者家族への中傷などといった問題が、
あまり心に響いてこず、犯人像もあまり意外ではない気がした。
 杉村を媒介とするように、いずみと美知香の祖父の毒殺犯が関わる
事件が起きるという展開が、感動的な結末を招くのだが、
あまりにも都合が良すぎるように感じられてしまう点も少々残念である。

 なお、この作品は『誰か』という作品の続編に当たるのだが、
前作を読まなくても充分に楽しめると思う。


名もなき毒

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 宮部みゆき

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