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2007.07.28 (Sat)

『恋縫(こいぬい)』

[著者]諸田玲子
[出版社]集英社 集英社文庫
[初版発行]2007年3月25日

[感想等]
 上方への年季奉公に行った幼馴染・龍次が突然帰ってきた。
 密かに恋い慕っていた、おいとは彼が女と一緒に奉公先より
飛び出してきたと知り、驚くのだが・・・町娘の純情を描く表題作『恋縫』
他『路地の奧』『竹薮をぬけて』『花火』の四篇を収録した時代短編集。

 表題作『恋縫』は、幼馴染を想う町娘の純情さに江戸時代を感じ、
古着屋を営む・父の尽力などを受け、
幼馴染を立ち直らせる愛の強さが印象的で、気持ちの良い短編。
意外な父の過去などが判る点なども面白い。

 その他の作品では、剣術修行のために江戸へ向かう途中の、
保土ヶ谷宿手前の辻村で長逗留後、不慮の死を遂げた甥(姉の息子)の
不審を抱いた若い叔父・隹新吾が遺骨の引き取りに赴き、
その死の謎を解こうとする12日間の出来事を描いた『竹薮をぬけて』が
推理物の趣があり、なかなか面白く感じた。
 特に、甥・松之助が女に心惹かれ、長逗留していたらしいと
彼からの手紙から知っていて、その相手の後家・おさえに
不審を抱きながら、その若さと美しさに溺れそうになる新吾の惑いや
村の人々や口の利けない女中・おときなどの脇の人間の描写も面白く、
ラストのほっとする幕切れも良かった。
 ただし、幕切れは、改稿されて、当初とは変わっているらしいので、
以前の幕切れが少々気になった。

 残り2作品、武家の若妻が夫の恩人の老人に官能を目覚めさせられ
懊悩する『路地の奧』はちょっと露骨な部分が気になったし、
『花火』は小悪人の男・安二郎が破壊の道をたどる原因になる、
大店のお内儀である潤んだ目の女・お佐和に女の怖さを感じさせられたし、
ラストは鮮やかだが、後味がいまひとつ嫌な気分が残った。


恋縫

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 時代小説 諸田玲子

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