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2007.08.04 (Sat)

『棄霊島(きれいじま)』(上・下)

[著者]内田康夫
[出版社]文藝春秋
[初版発行]平成18年4月30日

[感想等]
 浅見光彦100番目の事件。浅見が五島列島への取材旅行で知り合った
親切な初老の元刑事・後口が静岡の海岸で死体となって発見された。
 事情聴取される羽目になった浅見は、彼を殺した人間を探そうと、
長崎、信州などを尋ね歩く。
 そして、見えてきたのは長崎の軍艦島を舞台にした過去の事件や
戦時中の朝鮮人の強制労働、戦後の炭鉱の閉鎖などの重い歴史的事実や
現代の竹島領土問題、北朝鮮の拉致問題へまでも繋がる様々な問題であり、
大物政治家を巡る過去が招いた事件だった。

 最初の元刑事・後口との浅見の出会いがほのぼのと楽しい交流で、
少しは明るい事件ではないかと期待したのだが・・・。
 長崎の軍艦島を舞台にした過去の事件が、現在の事件を呼ぶという
展開はなかなか面白くはあるが、次々明らかになる
日本の闇の部分の記述、戦中の朝鮮人の強制労働問題や
戦後の炭鉱の閉鎖などという、様々な暗い側面が重くのしかかる感じが
最後まで消えない物語であった。

 現代の竹島領土問題、北朝鮮の拉致問題を取り入れて、
登場人物などに意見を言わせている点がフィクション作品に
重みと真実味を添えている点は、流石であると思った。
 それでいて、浅見をあちこちへ動かし、色々観て、食べさせ、
旅情ミステリの面白さを持たせている点は相変わらず楽しく、
著者らしさを感じさせ、良く出来ていると思った。

 ただ、犯人は途中で察しがつくし、ラストも後味があまり良くない。
 解決をしながら、浅見が口をつぐんでしまって良いのか、
過去をそういう形で封印して良いのかと疑問に感じてしまった。
 自ら死を選んだ人間の事情や心情を尊重するのも大切だろうが、
殺された人々やその家族のためにも、事実を明らかにするのが、
辛くても探偵の役目ではないのだろうか?とも思われてならないのだ。


棄霊島(上)棄霊島(下)


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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 内田康夫

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