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2007.09.15 (Sat)

『最勝王(さいしょうおう)』

[著者]服部真澄
[出版社]中央公論新社
[初版発行]2006年7月25日

[感想等]
 平安京へ讃岐から出てきた佐伯真魚(さえきのまいお)は
難波の四天王寺で驚くべき画才の男・赤万呂に出会い親友となる。
 叔父の命令で、桓武天皇の皇子・伊予親王(いよのみこ)の
ブレーンになった、真魚は仏法の神髄を探っているうちに、
仏法のすべてがわかるという唐の「秘密宗」の経典の存在を知る。
 遣唐使が休止されているため、彼は僧門に入り名を教海と改め
国内で「秘密宗」に隠された謎を知ろうとするのだが、
四国で赤万呂と唐伝来の尊像に出会い、消えた船大工とその娘
の行方を追うことになる。
 “唐の浜”で、新羅由来の経典はじめ西方渡来の品々を発見、
四国沖で賊に襲われた唐生まれの異国の女に出会い、
賊から救い出した船大工や新羅の人々と逃げる途中、
教海は赤万呂の意外な過去を知り驚くのだが、船が沈み・・・。

 若い空海が、「秘密宗」を知ることになったいきさつや、
伊予親王やその兄弟たちが巻き込まれる王権を巡る陰謀など、
奈良から平安にかけての仏教や政治などを描いている歴史小説。
 さらには、赤万呂の過去、殺人事件や船大工の行方不明事件
などのサスペンス的な要素もあり、なかなか楽しめる作品である。

 惜しいのは、赤万呂の人物像が強烈で、主役の真魚(教海)
よりも魅力がある点である。
 また、船の事故の場面から唐突に時間が飛んでしまい、
いきなり空海が唐から帰ってくる場面になる点が判りにくい。

 ネタばれになってしまうが、もしかして赤万呂が、船の事故で
死んだ教海の代わりに空海になってしまったのかと思わせる点も
解決しないまま、終わってしまうのもかなり残念である。
 いっそフィクションとして、赤万呂が空海と称して、
教海の遺志を継ぐような形になったことにしてしまった方が
その苦労や葛藤などを描く余地もあり、空白の時間を埋めたり
面白みが増したのではないかと、感じてしまった。


最勝王

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 歴史 服部真澄

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