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2007.12.15 (Sat)

『喪失』

[著者]カーリン・アルヴテーゲン
[訳者]柳沢由実子
[出版社]小学館 小学館文庫
[初版発行]2005年1月1日

[感想等]
 スウェーデンのストックホルム。32歳の女性ホームレス・シビラは
無実なのに連続猟奇殺人犯として警察に追われることになってしまう。
 地方の資産家の娘なのに、母親との子供の頃からの確執の末に、
18歳で未婚の母として、生まれてすぐの子供を手放す羽目になり、
ついには家出をして、ホームレスとなって自由を手に入れた、
主人公・シビラの深い心の傷を負った過去が、真犯人の追求と共に、
徐々に明らかになる過程が、興味深い推理作品である。

 最初はホームレスで、中年男性に食事とホテルの客室を奢らせる
ような彼女の卑しさや生活態度に共感を感じなかったものの、
現在まで続く彼女の母親の仕打ちの酷さに怒りを感じ、
苦難の中でも犯人探しをしようとする彼女の持つ強さや、
家を買うという大きな希望のため貯金する姿に好意を感じ、
行方のわからない息子への思いなどに同情を覚えたりして、
次第に、彼女の犯人探しを応援したくなっていった。

 また、彼女に協力する少年とのふれあいというほっとする要素は
あるものの、ホームレスの生活の厳しさや苦労はもちろんだが、
彼女に対する世間の誤解や敵意などが鋭く、生々しく感じられ、
絵空事でない気がして、重い読後感を残す。

 少し残念なのは、主人公のインパクトが強い分、猟奇事件の犯人が、
良く有りがちな精神を病む犯人であるように思えてしまう点であろうか。

 なお、この作品は2000年ベスト北欧推理小説賞受賞、
世界20カ国で翻訳されている作品であるそうで、
著者の大叔母は『長靴下のピッピ』のアストレッド・リンドグレン
であるとのことである。


喪失

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ カーリン・アルヴテーゲン

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