2008.01.20 (Sun)
『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ !』
[著者]深水黎一郎
[出版社]講談社 講談社ノベルス
[初版発行]2007年4月5日
[感想等]
新聞に連載小説を発表している「私」の元へ届いた手紙。
それは「ミステリー界最後の不可能トリック『読者が犯人』を用いた
小説案を高値で買ってくれ。」という、香坂誠一と名乗る男からだった。
彼が「命と引き換えにしてもこのトリックを小説にしたい。」と訴える、
そのトリックとはいったいどのようなものなのか・・・?
『読者が犯人』というミステリが成立するのかという点に興味を抱き、
読み進めていったのだが、「私」が超能力の実験を見た様子や
香坂誠一の思い出の手記、「私」と友人・有馬との対話など、
様々な場面が交互に描かれ、いったいどういう方向に進むのかと、
煙にまかれた感じのまま読まされて、結果的には、少々がっかりした。
というのは、肝心の『読者が犯人』という驚愕のトリックとやらは
明かされてみると、アンフェアではないのかという気分が残ってしまい、
凄いトリックを考え出したなと感動できなかったのだ。
確かに、無関係そうな超能力の話なども、きちんとした伏線には
なっているし、そうだったのかと後で思う部分もきちんとあったし、
話としては、上手にまとまっている。
が、この作品の『読者が犯人』は、詭弁的で空想的でしかなく、
現実的な殺人事件のトリックとは程遠いのではないのではと思った。
なお、タイトルにある「ウルチモ・トルッコ」という言葉は、
「究極のトリック」という意味のイタリア語らしい。
[出版社]講談社 講談社ノベルス
[初版発行]2007年4月5日
[感想等]
新聞に連載小説を発表している「私」の元へ届いた手紙。
それは「ミステリー界最後の不可能トリック『読者が犯人』を用いた
小説案を高値で買ってくれ。」という、香坂誠一と名乗る男からだった。
彼が「命と引き換えにしてもこのトリックを小説にしたい。」と訴える、
そのトリックとはいったいどのようなものなのか・・・?
『読者が犯人』というミステリが成立するのかという点に興味を抱き、
読み進めていったのだが、「私」が超能力の実験を見た様子や
香坂誠一の思い出の手記、「私」と友人・有馬との対話など、
様々な場面が交互に描かれ、いったいどういう方向に進むのかと、
煙にまかれた感じのまま読まされて、結果的には、少々がっかりした。
というのは、肝心の『読者が犯人』という驚愕のトリックとやらは
明かされてみると、アンフェアではないのかという気分が残ってしまい、
凄いトリックを考え出したなと感動できなかったのだ。
確かに、無関係そうな超能力の話なども、きちんとした伏線には
なっているし、そうだったのかと後で思う部分もきちんとあったし、
話としては、上手にまとまっている。
が、この作品の『読者が犯人』は、詭弁的で空想的でしかなく、
現実的な殺人事件のトリックとは程遠いのではないのではと思った。
なお、タイトルにある「ウルチモ・トルッコ」という言葉は、
「究極のトリック」という意味のイタリア語らしい。
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