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2008.04.20 (Sun)

『使命と魂のリミット』

[著者]東野圭吾
[出版社]新潮社
[初版発行]2006年12月5日

[感想等]
 心臓外科医を目指す研修医・氷室夕紀はかつて警察官の父の手術をした医師の
西園に指導を受けている。彼女は西園と母の交際を知っていて、彼の手術で
父が亡くなったことに疑問を抱いている。
 彼女の勤める病院に入院し手術を待つ患者の1人に、日本を代表する
アリマ自動車の会長・島原総一郎がいる。彼の会社は以前、欠陥車で
大きな被害を起こしていて、密かに彼を恨む青年・直井穣治は、
何らかの目的を持って病院の看護婦・真瀬望と交際をしている。
 穣治の病院への医療ミスを公表しろという脅迫状で動き出す警察官の中に、
夕紀の父の部下だった七尾の姿があった。
 七尾は医療ミスに対する脅迫に不審を感じ、島原総一郎の手術への妨害が
有るのではないかと思い付き、捜査方針に逆らい独自に捜査を始める。
 彼の推理は当たり、島原の手術を妨害する停電が起こる。危険な状態の中、
西園や夕紀ら手術スタッフ、病院スタッフの努力が続き、七尾は必死で
犯人を追い求めようとする・・・。

 最初から、犯人・穣治の行動が描かれているのだが、彼が何故、島原を
恨んでいるのか、彼が何を企んでいるのかが伏せられているので、
それが次第に明らかになっていく点が良く出来ている。
 また、それと平行して、研修医・夕紀が疑問に感じていた父の死に関して
次第に真実が明らかになっていくし、緊迫した手術が進行する中、
犯人を追い求める七尾の動きなどが描かれ、かなり場面転換もはげしく、
様々な思いを抱いた登場人物たちがそれぞれの使命を果たそうとする物語
としては、とても感動的で良く出来た物語である。

 ただし、ミステリとしてはあちこち、不満な点も多い。
 例えば、看護婦と交際していたり、事前の脅迫などの行動が計画的なのに、
停電を起こし手術を妨害するという復讐方法には無理があると気が付かない、
犯人・穣治の設定には無理がある気がしてならなかった。
 
 また、悪人めいた島原、父を殺したかもしれない医師・西園など、
警察から厄介者扱いされている七尾など、一癖も二癖もありそうな人物も、
犯人・穣治までも、全て善人過ぎて、少し物足りない。
 
 何より、事件の解決を犯人の善意に頼ってしまうように感じられ、
ミステリとしては少々、結末の意外さや面白みに欠くように思えたのが
残念である。


使命と魂のリミット


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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 小説 感想 ミステリ 東野圭吾

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