2008.06.29 (Sun)
『玻璃(はり)の天』
[著者]北村薫
[出版社]文藝春秋
[初版発行]2007年4月15日
[感想等]
昭和初期の上流階級を舞台にして、女子学習院に通うお嬢様・花村英子
(「わたし」)と女性運転手・別宮(べっく)みつ子(「ベッキーさん」)が
周囲で起きる不思議な出来事の謎を解明していく、シリーズ第2弾。
ステンドガラスの天窓を持つ屋敷での墜落死の謎を扱った表題作『玻璃の天』
の他、『幻の橋』、『想夫恋』の3篇を収録。
前作『街の灯』同様に、昭和初期の風俗や上流階級の様子、そして英子の
周囲で起きる事件の謎を解明していくミステリ部分が楽しめる作品である。
何といっても、英子はお嬢様だが庶民的な視点を持てる点が魅力的である。
今回は、英子の学友の恋愛がらみの『幻の橋』、『想夫恋』といった作品に
彼女の成長を感じると共に、舞台となっている昭和8年という時代に、
戦争の近づいてくる重苦しい雰囲気も感じられたし、
ベッキーさんの父の話が判る『玻璃の天』といった作品もあり、
前作より、内容は重い感じがした。
新聞の死亡広告が元で仲違いをした兄弟の孫同士が恋仲になる、
『ロミオとジュリエット』風の『幻の橋』も、なかなか面白かったが、
やはり、暗号を扱った『想夫恋』が面白いと思った。
特に、ウェブスターの『あしながおじさん』を媒介にして、英子が学友と
親しくなるというくだりが、個人的には楽しかった。
なお、ベッキーさんのベッキーは別宮という名前の響きからの連想で、
サッカレーの『虚栄の市』という小説の主人公であるベッキー・シャープ
という女性にちなんだ呼び名である。

<My Blog関連記事>『街の灯』
[出版社]文藝春秋
[初版発行]2007年4月15日
[感想等]
昭和初期の上流階級を舞台にして、女子学習院に通うお嬢様・花村英子
(「わたし」)と女性運転手・別宮(べっく)みつ子(「ベッキーさん」)が
周囲で起きる不思議な出来事の謎を解明していく、シリーズ第2弾。
ステンドガラスの天窓を持つ屋敷での墜落死の謎を扱った表題作『玻璃の天』
の他、『幻の橋』、『想夫恋』の3篇を収録。
前作『街の灯』同様に、昭和初期の風俗や上流階級の様子、そして英子の
周囲で起きる事件の謎を解明していくミステリ部分が楽しめる作品である。
何といっても、英子はお嬢様だが庶民的な視点を持てる点が魅力的である。
今回は、英子の学友の恋愛がらみの『幻の橋』、『想夫恋』といった作品に
彼女の成長を感じると共に、舞台となっている昭和8年という時代に、
戦争の近づいてくる重苦しい雰囲気も感じられたし、
ベッキーさんの父の話が判る『玻璃の天』といった作品もあり、
前作より、内容は重い感じがした。
新聞の死亡広告が元で仲違いをした兄弟の孫同士が恋仲になる、
『ロミオとジュリエット』風の『幻の橋』も、なかなか面白かったが、
やはり、暗号を扱った『想夫恋』が面白いと思った。
特に、ウェブスターの『あしながおじさん』を媒介にして、英子が学友と
親しくなるというくだりが、個人的には楽しかった。
なお、ベッキーさんのベッキーは別宮という名前の響きからの連想で、
サッカレーの『虚栄の市』という小説の主人公であるベッキー・シャープ
という女性にちなんだ呼び名である。

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