08月≪ 2017年09月 ≫10月

123456789101112131415161718192021222324252627282930
--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑
2011.12.17 (Sat)

『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』

[著者]村岡恵理
[出版社]新潮社 新潮文庫
[初版発行]平成23年9月1日

[感想等]
 冒頭・第二次大戦下の東京、空襲の続く中、こつこつと
翻訳をしながら、日本や子供たちの将来を思う村岡花子の姿から
始まる本書は、孫娘による『赤毛のアン』の翻訳者・村岡花子の
評伝である。

 新潮文庫で、村岡花子による暖かいあとがきのある
『赤毛のアン』に接していた私は、彼女の生い立ちなどが
気になっていたので、本書は非常に興味があった。

 孫によって描かれた本書は、村岡花子の心情に迫り、
その視線で描かれている作品になっているせいで、
評伝というよりも、明治・大正・昭和を生きた女性の姿を
描いた小説のようで、面白く、読みやすく感じられた。

 もちろん、色々知らなかった彼女のこと、貧しかった子供時代、
クリスチャンだった父の理解によって給費生として東洋英和で
学ぶ機会を得ることが出来たことや、
卒業してからの教職生活や生涯の伴侶との出会いなど、
知ることが出来たのは、嬉しかった。

 しかし、一番心に残ったのは、村岡花子が『赤毛のアン』の
舞台であるカナダのプリンス・エドワード島を訪れぬまま、
亡くなったということである。

 普通、彼女の育った時代・西洋文化が当たり前にあるような
時代ではない中で育った女性が、外国への留学経験も無く、
異国の作品の初翻訳を成し遂げたのは、かなり無理があったはず
と感じるだろう。

 が、彼女の東洋英和時代のカナダ人宣教師達との寄宿生活の
様子を詳しく知ることが出来たので、
彼女がアンの舞台となる異国の風景や風物・心情などを自然と
自分のものにしていた、という風に判った。

 あの素晴らしい翻訳が、カナダに行かなかった女性の手で
日本で生み出されたのだと知ることが出来たのが、
私にとっては一番の驚きと収穫だった。




アンのゆりかご 村岡花子の生涯




スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 読書 感想 歴史 『赤毛のアン』 村岡花子

EDIT  |  15:05 |  なかなか良いと思った本(☆4つ)  | TB(0)  | CM(0) | Top↑

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除に必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。