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2005.05.15 (Sun)

『大東京三十五区 亡都七事件(ぼうとななじけん)』

[著者]物集高音
[出版社]祥伝社
[初版発行]平成17年3月20日

[感想等]
 『冥都(めいと)七事件』『夭都(ようと)七事件』に続く、
昭和初期の東京を舞台とする短篇7編を収めた探偵小説集で、
シリーズの完結となる第3作目。

 早稲田の書生・阿閉万(あとじ よろず)の聞き込んでくる、
東京で起きた、猟奇事件の真相を、
下宿の大家・間直瀬玄蕃(まなせ げんば)が縁側探偵風に推理する。
 猟奇的な事件を扱った推理小説というだけでなく、
事件のあった地区の当時の地図が各話の始めにあったり、
新聞を引用していたりと、時代の雰囲気が醸し出されていて、
昭和初期の世相を描いた歴史物風でもあって、
探偵小説という言葉がぴったりな感じで面白かった。
 前2作も好きだったので、
書き下ろしの最終話『魔人、学帽ヲ窃取ス』の幕切れが
あっけないような気がしてしまい、
シリーズの完結がとても残念に思われた。


大東京三十五区 亡都七事件

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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

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